第281話 ケンカ腰

数年前の話。


農作業をしている親子。うちの前の田んぼでなにやら大声で一方的に怒鳴っている親らしき人。

空気を入れかえる為に窓も開けているから、何を言っているのか全部はっきり聞こえてくる。


思ったように子ども(といっても立派な大人)が動いてくれないのをくどくどと大声で言う。

「そんなふうだから~」「こんなことも~」

聞きたいわけじゃないのに大声だから聞こえてくる。内容もしっかり。


もうそんなに繰り返し言わなくてもいいじゃないか、いちいち怒鳴らなくてもとか可哀想になってくるくらい。

ずっと聞かされていると自分も怒られているような気になってくる。

やっている仕事も効率が落ちてくる。


聞こえないようにするために、大きめの音量でメタルを聴く。

それでも合間に怒鳴り声が聞こえてくるから、がっかり。


叱れる相手がいるってこと、そんな長時間でもちゃんと付き合ってくれて農作業もやってくれるってことに感謝すればいいのにと思いながら仕事終了。

あんまり大声出していると、血圧が上がって倒れるよ。


胸倉掴んで本当にケンカが始まってしまうのではないかとハラハラして、窓から何度か確認したよ。

ケンカしていても止めにいくことはないけれど。こっちが殴られてもイヤだもの。


怒られて委縮してしまうと、逆にやる気が失せて作業効率が落ちるというデータがある。

それを見ていたり聞いている人も同様。

怒って得になることはないので、穏やかにいきましょう。


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