第248話 電気柵

どんどん山から獣が降りてくるからか、田んぼも畑も柵で囲まれるようになった。

被害が酷い場所なのだろうか、電気柵が設けられている箇所も増えてきた。

自家農園もだいたい囲まれているのを見ると、夜に獣の鳴き声がよく聞こえてくるのに納得する。


こういう電気柵ができて通電することになると回覧板が回ってくる。

地図と通電する日時などが書いてある。

実際の現場でもきちんと注意喚起の看板なども設置しているから見落とすことはないと思う。


結婚した当初は、本当に山の際で人里から遠い場所だけに電気柵があったが、今は民家のすぐ脇の畑でさえ柵がある。

それくらい気軽にシカやイノシシが降りてきているようだ。


シカは奈良でゆったりと歩いて昼寝して、せんべいを観光客にねだる姿くらいしか知らなかったが、こちらでは切り立った場所に座っていたり、畑から道路へ飛び出してきたり、車に負けないスピードで並走している姿を見た。

神のお遣いでゆったりしているなんてことはなく、田んぼに入ってもしゃもしゃ苗を食べる立派な害獣である。


そういえば市内にもジビエのお店もできた。

地産地消ということなのだろう。

少し興味はあるが、お手頃な価格ではなさそうなので、観光客の人たちに期待したい。




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