第246話 皆勤賞は貴いのか

さすがに新型コロナウイルスが大流行して、みんなマスクをかけて、自粛もしていた時期も経て、無理して学校や会社へ行くのが貴いという人は減っているとは思う。


田舎というか古い人は、体調が悪くても無理して学校や会社へ行くことが美徳のように思っている人が多い。


人にうつしては特にまずい病気は、学校でも出席停止となっているのだが、意外にもお母さんたちは本人の体調よりも欠席日数を減らすことに必死となっていることが多いのだ。


水疱瘡やおたふくかぜなんかは、見て罹っているのがわかるのだが、それでも「もう大丈夫だから」とすぐ出席させてくる。

まだ本調子でなくて無理をして出席させて、早退になってしまうことがあってもそういうお母さんは平気。

子どもが可哀想だとは思わないようだ。


周りにうつしてしまうという心配もあまりしていない。

昭和の考え方の「お互い様」「うつしあった方が免疫がつく」ということで、インフルエンザの可能性があっても、登校させる。

そして急に高熱を出して早退、学級閉鎖に繋がるなんてことも頻繁に起こる。


「ちょっと熱があるけれど、登校させたわ」と悪びれずに言う親もいる。

田舎だから母親は働いていて、祖父母が家にいるから、何かあったら誰か大人が迎えにいけばいいやと思っているようだ。

本人の体調をみて考えることや周りに迷惑をかけないということより、自分の都合が優先。


うちは学校から遠いことから、体調が悪いときはしっかり休ませるようにしていたが、一部で軟弱者とか過保護だと悪口を言われていた。

調子を悪くして早退になるよりも、一日家で休ませたり、病院へ連れて行く方が早く治るという考えは馴染まないようだった。


今はもうちょっとマシになってるかもしれないね。

そうなっていてほしいね。

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