第233話 規格が古い

本当に古い賃貸住宅に住んでいるから、あれこれ困ることが出てくる。

貸主に修繕してもらえばいいとはいえ、そんなに素早く直してもらえなかったりするし、もう直せないものだってある。


なんとか職人さんやプロがしてくれるのだが、本当に小さいことから困ることがあるからなあ。


台所(キッチンとは呼べない)の照明は、かなり古い規格なので、蛍光灯を交換しただけではフルで照らしてくれなくなってしまっている。

4本の蛍光灯が入るようになっているが、実質1本しか点かない。

グロー球も交換したのだけれど。

なので、手元が暗い。他の照明で補ってはいるが、ずっと夕暮れの中で調理している感じになってしまう。


水道の蛇口も古い。

蛇口につけるタイプの整水器を装着すると、食器を洗うのに邪魔になる。

シンクとの距離がよくなくて相性が悪いようだ。

装着すると、水をくんだりするのにも不便になってしまうから、もうやめてしまった。


台所の配置もスペースも昭和の自分の親世代あたりの生活に合わせたもので、食洗器を置くスペースもなく、換気扇もパワーがないからお肉を焼くと自分が燻されるという始末。


火災報知器を天井に付けて貰ったが、これを付ける前にもうちょっと他の設備を新しくしてくれないかなと勝手に思っている。

付けるのは義務になってるから仕方ないのはわかる。

でもそれよりも腐った縁側を直してほしいなあとか、お風呂に換気扇をつけてほしいなあとか。


縁側はね、腐っているのがわからずに私が乗って庭に転がり落ちたことがあって。

まだ若かったから大したケガはしなかったけれど、しばらく打ち身で痛かった。


レトロな規格の家にずっと住んでいると麻痺してしまう。

子どものアパートや寮の方がキラキラしている。

まあ、アパート代の方がうちより高いから仕方ないかな。


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