第196話 本屋さん

いつの間にか、市内に本屋さんがなくなっていた。

市内の一番大きなショッピングセンターなる所にも本屋さんはない。

ただ週刊誌や月刊誌などは置いてある。

文房具だけを扱っているお店もない。


ちょっと興味のあることで本を買いたくなったり、参考書や問題集を自分に合わせて買おうと思ったら、本をパラパラと実際にめくって確認する方がいい。

それができないのだ。


記憶を手繰っていくと、唯一あった本屋さんにも、ここ10年以上は行っていなかった。

欲しい本を見つけられなくて注文しても、なかなか入ってこなくて、ありがちだがAmazonで注文した方が早くて自宅で受け取れるからそうしていたのだった。

駐車場もなかったというのもあって、なかなか行きづらかったのもある。


うちの子どもたちは別の市の高校に通ったが、この市の高校に通う子たちはどうやって教科書を買うのだろうか。

入学前に制服や教科書などを購入する日があって、うちの場合は重い段ボールを持って帰ったが、その時も「後日購入の人は、〇〇書店でお願いします」ということだった。

その本屋さんが遠いと大変だなあ。


今は田舎に限らず街でも本屋さんは減っているから、いい本に思いがけず出合うチャンスが失われていると思う。


私の場合は図書館で気に入った本を改めて買うということが増えて、急にフィーリングで本を買う機会が減ってしまった。


電子書籍で本を読む人も増えてきたことも、本屋さんが減る原因の一つかな。

断捨離やミニマリスト、私はそういう方面の人間ではないから、寂しい。

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