第191話 役員決めは大変だ
進学進級おめでとうの春。
親たちも落ち着かないだろう。
子どもが高校生までPTAの何かしら役員をやってきて思うのは、
「学校のことは学校の職員だけで全部やってくれ」ということ。
都度都度ボランティアを募ればいい。
これは前にも書いた通り。
春にクラスや学校全体で集会があって、そこで役員を決めたりするのだけれど、自分がやるのが嫌だから欠席したり、口裏合わせして「この人大変だからやめてあげて」と友達に言わせたりして、本当に醜いやり取りを見ることになる。
心底誰かのお母さんを嫌う前に、そういうの一切やめてしまえば、みんなラクになるのに。
大学の授業で出席をあまり取らずに簡単に単位を出してくれる先生の授業をとるみたいに、子どもが低学年のうちに軽い役員をやっておいて、本部役員や負担の大きい役員を回避しようとする人が多くて、そこで争っているのを見るのも疲れる。
「私、早いうちに(役員を)済ませておきたいんですぅ」と涙目で言われても、みんなそう思っているのだから、幼稚園児みたいなワガママをいい年のオバサンに言われても響かない。
こんなに嫌がられているんだから、役員全部やめてしまえ、PTAも解散しちまえと思うのだが、田舎ってそこは変に保守的だから、出てこないんだよね、そういう意見が。
それなのに自分たちは負担したくなくて、うちみたいなよそ者に負担大きい役員を押し付けてくるんだから。
核家族で親類も近くに全くないんだから、夜に何時間も会合に呼ばれても夫が出張でいなかったら、子どもを連れて会合に行かないとならない。
留守番させればいい話でもない。学校に連れて行って、別室で宿題やったり本を読んだりして待ってもらって、私は早く終わらないかなとそわそわ。
誰かが「うちで預かるよ」なんて言ってくれるなんてこともないし、そういうことをわかっていて役員を押し付ける田舎なんだから、どうしようもなく。
夫が役員でも出張があれば会合に出られず、代わりに私が出るということもあり、正直、私や夫の名前を役員選出時に書いた奴全員呪われろと思ったことも数限りなくある。
田舎でなくて街でも押し付け合いはある。
2年街に住んだ時に、私が幼稚園のPTAの会長にさせられたから。
それまで役員をやっていない人でくじ引きをして、数人が本部役員ということになって、さすがに引っ越ししてきた私がやるなんてことはないなあと油断していたら、
「この人は前に私が役員をやった時に助けてくれた人です。だからこの人を会長にしてあげないでください。」と、そのうちの一人を変な理由で援護する前役員がいて、なんかわからないうちに私が会長になったのだったよ。トホホ。
えー、誰かこのおかしな状況に何かつっこんでくれるだろうと思ったら、私と目を合わせずに席を立っていく人ばかりで、「詰んだ!」と思ったわ。
幼稚園の先生方の私を見る気の毒そうな目が忘れられない。
街も田舎も自分さえ良ければの人たちでいっぱいさ。
子どもに、ズルいことをしてはいけないよとか言えないよね、そういうお母さん方。
だって、自分たちは堂々とやっているのだから。
役員をほぼやらないで逃げおおせて、それで静かにしているのならいいのだけれど、そうなると逆に役員にあれやれこれやれと注文つけてくる人もいるんだな。
どの口がそれを言うか!と呆れるようなお母さん。
役員決めで醜いものをたくさん見たから、もういっそのことPTA解散して役員なんかなくなればいいのになあと思っている。
うちはもう関係ないけどね。
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