第186話 理系女子

もう死語になってるんだろう、リケジョ。

元理系女子は、その呼び名もどうかとは思う。

つけた人間は絶対小馬鹿にしてるだろう。

女子にキャッチ―な呼び名つけたら喜ぶだろう的な浅い感じが嫌い。


例の怪しい細胞事件で考えても、普通の理系女子は実験結果は気になるが、自分の格好は割とどうでもよくなっていくので、あのような人間が出てきたらまず見た目から飛びつくんだろう。

実際は、実験実験で忙しいから、食べるのも着るのも無頓着になっていって、あんなに身ぎれいにしてる暇なんかないのだ。

割烹着も着ない。きちんと白衣を買って着る。

髪だって邪魔だからバッサリ切ったりまとめたりで、アクセサリーもつけ外しが面倒になって着けなくなる。実験するのにメイクもネイルも邪魔なので、あんな盛ったことはできない。学会とかの発表の場はがんばる、気力体力が残っていれば。


きちんと成果を上げて、理系女子の後輩の星とするべく、わざとあのような実際とはかけ離れた世界を作って見せたのかもしれないが、結局成果もね、あんなことになったしね。

何がしたかったのか可哀想だけどわからないね。


田舎で女子が勉強できる、それも理系科目が好きなんてことは、あってはならないことのようで、私がこちらに結婚してやってきて学歴がバレてしまってから、

「可愛くない女!」と子どものお母様方から総攻撃に遭いましたよ。

結婚しているのだから、男性にも女性にも可愛くないと言われてもそんなにダメージはありませんよ。それなのに何なのでしょうね。


みんなで集まって何かを提案すると、「はいはい。大学出てる人は賢くていいですよね」とかわざわざ毎回言ってくる人もいて。

私は確か定規を使いましょうとか、本当に小学生でも気が付くような小さいことを言っただけなのに、噛み付かれておりまして。


何か計算する作業があった時に、一向に計算機を貸してくれないものだから(当時はまだスマホがなかった)、やむなく暗算で計算をして

「適当なことやってるんじゃないわよ。計算機も使わないで!」と大声で言われて

計算機で確かめたら暗算の結果と一致して更に「自分が賢いと思って!」と怒られましたよ、はい。計算機を回してくれない意地悪しておいて、それはないわ。


理系女子とはいっても、私はごりごりの数学や物理専攻とかではなくてほのぼの生物系なので、気難しかったり怖い人間でもなくてただだらしないゆるい人間なんだけどなあ。

理不尽だなあ。偏見だよなあ。


レベルはずっと上だけど、宇宙飛行士候補の女性の方って可愛いよね。品もあるし。

あんな方を若い娘さんたちには目指してほしいな。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る