第180話 噂話 その3

エイプリルフールだから、思い出した本当でない噂話をまとめ出し。


これは噂話というか、勝手に思い込まれて勘違いというか。


夫の職場はいろいろな人がいて、そこに勤めていると言われても何をしているかはよく確かめないとわからないのだ。

子どもたちが幼稚園に通っている頃に、最初に母子で仲良くなったお母さんが勝手に勘違いしていた。


どうもうちの夫が実年齢よりも若く見えることや、街で生まれ育っているからか田舎育ちの人たちと比べてもフレンドリーであることからか、高卒の職員だと思っていたのだ。

私と夫が「同じ大学を出ていますよ」とは言っていなくて「同じ学校で知り合った」と私が言ったのかもしれない。当時は大卒女子が田舎には珍しかったから、空気を読んで私がそこは曖昧に答えたのだと思う。


それに加えて、私は運転免許を持っていなかったから(高卒でたいした職業についていない、貧乏な家)と思ってしまったようで、

「あなたにはわからないでしょうから」「困ってるんでしょうから」とやたらと下に見てきて、

「うちのダンナは〇〇大卒なので偉いのよ。物をよく知っているの。」とまで言われて、どうしたものやらと悩んだ。

〇〇大、ごめんね。そんな偉いなんて思ったことない。多分世間一般の人もそう思ってる。

東大や京大であっても、そういうこと言う人はダメな人ではあるが。


これもある時、うちの正確な情報がどこかからもたされたのであろう。

手のひらを返したように今度はうちがお高くとまっていると怒りだしたのだ。

…いや、ちょっと前まであなたマウント取りにきていたのに、それはないよ。


「うちの子の洋服代は〇万円」「うちの子の習い事は〇つ」などと今度は自分の子にどれだけお金をかけているか自慢を始めてきた。


うちの場合は私が免許がないから、その時は何もしていないし、洋服もよそいき以外は汚れても怒らずに済むような値段のものを愛用していた。

それで、あいつ(私)は子どもにケチとか愛情不足とか言いたかったみたい。

それが事実でも別にあなたには何の関係もなければ迷惑もかけていないと思うのだが何が言いたいのだろう。


そんなのいいじゃないか。それぞれの家の方針だもんと私がまったく張り合わなかったのも良くなかったのか、勝手にどんどんあちらは怨念の炎を燃やしていったから怖い。


うちの子が中学受験するとか、私がめちゃめちゃ教育ママゴンだとか根拠もなく言われて噂にされて、こっちはぐったり。

子どもが学校へ行っている間にRPGゲームをやりこんでるだけなんですよー、こっちは。


こういう妄想が暴走する系の人って、結婚してからたくさん見てきたけれど、みなさんどう対応するのだろう。

私は苦手。というか、大嫌い。

事実を積み上げて冷静に判断する能力って大人になったらみんな身につけているものだと思ったら大間違いだった。

親がこうなら、子どもも同じ。類は友を呼ぶというが、そういう人たちが集まって、こうやって誤報を噂話として喜々としてばらまいていくのだ。やだね。

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