第144話 キジ
うちの前の田んぼが縄張りなのか、毎年キジがやってきて、うちの前でうちに向けて威嚇して鳴く。
体力があるらしく、かなりの長時間ずっと鳴き続ける。
うるさいので窓を閉めても鳴き声が家の中まで聞こえてくる。
私がごみを出しに歩いて行くと、ゴミ捨て場の近くから急にキジが出てきて、追い立てられる感じになった。
目が怖いのと、わりと大きいのと、時々羽をばたつかせるのでこちらは慌てる。
「なに なに なに?」
ゴミ袋を手にした私はキジの行く手を遮らないようになんとか避けて、キジを田んぼに返せた。ちょっとマタドールになった気分。
ご近所のマダムたちもちょうどゴミを捨てに出る時間で、みんなで
「びっくりしたねー」と笑い合った。
キジと聞いて頭に浮かぶのは、頭がカラフルなオス。
そのオスがなんか小さめの茶色い鳥を追いかけまわすのを見て(他の鳥と縄張り争いしてるのか)と思っていたら、そっちが雌だった。
求愛行動だったのかも。
車で出かけようとして、キジが横切ったり、メスを追いかけまわすのに必死で道をふさがれたり。
キジって、飛ぶより走っていることが多くて、迫力があることといったら!
サギなんかも大きいけれど、車で近づくとバサバサっと飛び立つから、それほど車で轢いてしまうかもと思わなくてもよく、キジは無我夢中で走っていて、あっちからぶつかってくるかも?と思わせられる感じ。
結婚した頃や子どもが小さい頃には、同じ場所でもキジを全く見なかった。
今は人の数が減ったせいなのか、山の手入れなども不十分なのか、山からたくさんの動物が降りてきていて、キジもよく見かけるようになってしまった。
見かけるより鳴き声がするから「あ、また来てる」とわかるというか。
田んぼの畦道や畑や道路をよく走っている。
たまには飛んでいるところも見てみたいものだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます