第132話 太陽の力

大量に洗濯物を干して、ポカポカからっと乾いてくれるのは爽快。

曇りの日よりも晴れた日の方が太陽の匂いみたいなものを感じられる。


街よりも自然環境が厳しい所に住んでいるからか、太陽が出ている時間のありがたさは身に染みる。

釣りでもわかるけどね。


ぐっと冷え込んだ朝も、太陽が昇ってくればみるみる気温が上がって過ごしやすくなってくるし、水たまりに張った氷も溶けていく。

夏なんかは、朝は涼しくてラジオ体操も気持ちいいなと思っていると、みるみる空気が息苦しい温度になっていく。


今は数年に一回くらいになったが、梅干しを漬けた年は、しっかり日に干している。

梅の表面に白い塩が浮いてくるのも太陽の力。

梅も太陽も頑張っているなあと思いながら、数日、干して片づけてを繰り返す。


お腹が痛いなあという時や、夏に元気が出ない時に、自分で作った梅干しを食べる。

子どもたちが家にいる間は、おにぎりに梅干しを入れたり、梅干しをほぐしてちりめんじゃこを加えたチャーハンを作ったり、かなり消費していた。

その時よりぐっと消費量が減ったから、作るペースも落としている。


縁側に梅を並べたざるを並べて干していると、少し桃のような香りがして好きだ。


「梅って桃みたいなニオイがするよねえ」と子どもに言ったら

「梅は梅干しのニオイで、桃とは絶対に違う」と言い張る。

どちらもバラ科だから、似ていると感じるのか。

それとも私の嗅覚がおかしいのか。

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