第97話 田舎の中の田舎
田舎の中でもランキングがあって、人が多い地区はなんだかやっぱり威張っている。
どっちもどっちだよと思うのだけれど、何か決めたりしなくてはならない時は
人数でマウントとってきたりするから面倒である。
私が住んでいる地区は大人も子どももあまりいなく、子ども会の活動といわれても
ほぼうちの子たちだけという状態で困っていた。
そういう訳で近くの地区に活動するにあたってそれなりにお金も出すし、労働力は提供するから参加させてもらえないかと交渉したが拒否された。
持ち帰って検討してもらったのではなく即答でお断りだった。
その地区は人数も多く、母親同士もランチ会を開いているくらい密接で、よそ者を入れたくなかったんだとは思う。
その様子を見ていた歩いていけない距離の地区の子ども会の役員さんが声をかけてくれた。
夏休みの活動を一緒にしませんか、もちろん見守りの当番はやってもらいますよと。
かかる経費も実費でお願いするけどどうですか?と言われて、とてもありがたかった。お礼を言い、参加することになった。
海で泳ぐ日、親子でボーリングへ行く日などなど。
「人数が多い方が楽しいもんね」と言って貰えて嬉しかった。
お祭りもうちの地区は神社がないこともあって、なかった。
それは寂しいかもしれないが、楽はラク。
神社がある地区は毎年準備をしてお祭りを盛大に執り行っていた。
見に来てよと言われて見に行ったこともあるが、地区によっては屋台が出ていても
他の地区の人がふらっと行って何か購入するのも禁じられてたりするらしい。
手配していて予定しているのもその地区の人でその地区専用であるみたいな話だった。その地区の子たちの楽しみを奪われてはならないのも仕方ないだろう。
こじんまりやっているのだろうから、そういうものなんだなあと車から屋台など
祭りの様子を見たことはあるが、その話を聞いてから行こうとは思わなくなった。
別の地区の子どもの友達からは、また違うイベントへのお誘いがあったのだが
その地区の上の学年の子が「お前は別の地区なんだから来るな」と言われて帰ってきた。
人が多い田舎の地区の方が排他的だったりする。
少ないと逆に祭りなどのイベントが成立するように、よそ者も誘われることがある。
不思議だ。
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