第95話 招かれざる訪問者

我が子がかなり小さい頃、私が体調を崩してしまっていた時期があった。

夫が子どもを寝かしつけて、寝付けない私は

「ゲームでもやって、寝られそうになったら寝たらいいよ」という

夫の優しさに甘えて、電気を消して夜中にゲームをしていた。


暗くなる前に雨戸を閉めて、カーテンも閉めていたのだが

なぜかガラッと近くで雨戸を少し開けたような音がした。


カーテンを閉めているから、私がパジャマ姿でゲームをしているところを

外からは見えないけれど、気味が悪くてゲームの電源を落として

眠っている夫や子どものもとに行き、布団に潜り込んだ。



次の朝、その部屋のカーテンを開けると、やはり雨戸が少し開いていたのだ。

覗こうとしていたのだろう。

庭に足跡もあった。塀を越えてきたようだった。


今考えれば、庭への不法侵入なので警察に相談すればよかったのだが、

当時はただただ怖くて怖くて。


わざわざ車でやってきて覗こうと思っても、乗ってきた車のエンジン音が

必ずするはずだから、犯人は近所の人…だったのかな。

それも考えると怖い。


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