第50話 大寒波

十年に一度のソレがきた。


雪は記録的に積もるなんてことはなかったのだが、気温がかなり下がったことによって、お風呂の給湯器の水道管が凍結してしまった。

きちんと昨晩から水はちょろちょろとは出している。


ココに住んでから、何度かあることなので、慌てず騒がず雪がおさまっている間に

給湯器の必要な場所を温めようと準備をしていた。

直接水道管にお湯をかけてもいいのだが、前回の凍結時に凍結防止のために

ぐるぐると防止グッズを巻き付けたから、中に温度が伝わりづらくなっていて、

カイロのようにじわじわ長時間暖めた方が効果的かなと朝から考えていた。


雪も小やみになり、日が差してきた。

今だ!と準備したものを持って玄関を出ると、給湯器からお湯が出る音が。


お風呂でお湯の蛇口を朝から開けたり閉めたりして、出ないことを確認していて、

そのままにしていた。


急いでお風呂に直行すると、温かいお湯がしっかり出ていた。


油断してはいけないから、このまままた水を少し出したままにしてある。


もしも夕方まで融けなかったら、近くの日帰り温泉に行くつもりにしていた。

それはそれで楽しいだろうけれど、道中で事故に遭っても困るので、家でお風呂に入れるのはよかった。


きっと晩の道路は凍結して危険度が増しているだろう。


また凍結したら大変だから、何度も何度もお湯が出るか確認してしまう。

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