《ホルベア組曲》
ヨユウ
Prelude
かつて、この町に偉人がいて。
その方が、この町の未来を切り拓いたのだ。
彼は、ホルベアという。
僕は、あったこともないその人にただただ感謝の念を送る。
当時は栄えなかったこの町も、今ではこんなにも活気に満ちて、
たくさんの人の話し声が聞こえる。
高くそびえたつ白樺や松の木のさざめき。
フィヨルドや海の冷たい風音。
これだけは、昔と変わっていないだろう。
ねぇ、ホルベアさん。
あなたがまだ有名でもない、少年の時代、
僕たちと同じようにこの素晴らしい空気を吸って、
未来のことを考えていましたか?
僕もきっと、あなたのようになります。
僕もきっと、
僕もきっと。
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