第10話 新生せっちゃんBODY

 3日後、せっちゃんのボディーが完成した。


「せっちゃんさんの身体が完成しました。関節部分は弱くなっていますが……弱いと言っても、オーガくらいの攻撃では破損はしませんけどね」


「それはすごいって言いたいところだけど、オーガってつよいの?」


「オーガというのは、力に優れた魔物で、オークジェネラルという魔物より数段強いです」


「おぉ、ならサイクロプスは?」


「サイクロプスは力を特化した魔物で、スピードがないため、オークジェネラルには負けますが、力で言えば同程度ですね」


「それはすごい! さらに防具も着けたらどうなるんだ?」


「ドワーフ製の防具を着けたら、オーガよりも強いオークキングの攻撃を受けても破損はしません!」


 ドヤっと胸を張るラズ。


「素晴らしい! 素晴らしいよラズ! 後でアイス買ってあげようね」


「わぁぁい!」


 ニコニコぴょんぴょんです。癒されるぅ!


 せっちゃんの新たなボディーは、デッサン用の人形のような仕上がりとなり、色はベースが白で、薄っすら青色を帯びていた。

 顔は、デッサン用人形と同じく鼻があるだけだ。

 胸は、コアを収納するためか、大きめになっている。

 背丈は俺と同じで、180くらいだろうか。


「もうコアは入れてあるのか?」


「はい! 現状でも戦闘は可能です。ですが、武器は如何致しますか?」


「カイトシールドを持ってタンク役をしてもらう予定なんだ。武器は片手剣か槍のどちらかになるかな?」


「分かりました! 鉱石も十分に有りますので、両方作りますね。せっちゃんさんが使わない方の武器を、マスターが使用するのはどうでしょう?」


「お、それはいいね! じゃあ、それでお願いするよ。3階層のボスがサイクロプスだったから、せっちゃんの試運転を兼ねて行ってみるね」


「はい! 防具も2日後には一式出来ると思いますので、よろしくお願いします」


「了解! じゃあ行ってくるね。行こうかせっちゃん」


 せっちゃんは、人と同じ様に滑らかに頷く。


 俺は弓と剣を持ち、リュックを背負う。

 せっちゃんは、棍棒を持つ。


「せっちゃん、もしかして、サイクロプスとタイマンする気かな?」


 サムズアップするせっちゃん。


 そうですか、タイマンね。オッケー道中は任せろ!


 意気揚々と3階層へ。


 道中は、せっちゃんが無双しました。


 え? マジ? って呆然としちゃったよね。


 棍棒を左手に持ち、右のストレートをドワーフ達に叩き込み瞬殺していくのだもの。


 俺の全力ダッシュと同じ速さで、足音もタッタッタってくらい静かになっちゃって、不意打ちからのボコボコですよ。3体同時でも、右フックで1体ぶっ飛ばして、そのまま回転して、左の棍棒で残りの2体をぶっ飛ばすなんてこともしていた。


 凄すぎ。ラズの技術とせっちゃんの戦闘センスの賜物だな。


 ボス戦までにドワーフを10体無双したせっちゃんは、そのままボスの扉を開いた。


 ボス戦のサイクロプスは、せっちゃんを見つけると咆哮を上げ向かってくる。


 対するせっちゃんは、棍棒を右手に移し、棍棒の先を地面に落とし、半身になって構える。


 サイクロプスは、棍棒を振り上げ、せっちゃんに振り下ろす。


 せっちゃんは、紙一重で避け、サイクロプスの棍棒を足場にして跳び上がる。


 サイクロプスの頭上まで跳び、棍棒を両手持ちにし、振り上げているせっちゃんが見えた。


 パァーンッと破裂音が響き渡ると、頭部のないサイクロプスが光となって消えていくのが見えた。


「強くなりすぎだろこれ……。まぁ優秀な仲間をもって幸せだなぁー」


 光の行く末を見つめながら、そんなことを独りごちていた。


 スタッと着地したせっちゃんは、優雅に、流れる様に肩に棍棒を担ぎ、俺に向かってサムズアップしていた。


 俺も顔が引き攣らないように、ニッコリ笑ってサムズアップしておいた。


 部屋に戻り、ラズに報告する。


「めっちゃ凄かった。予想以上。凄すぎだよ。せっちゃん1人で無双状態だった」


「わぁ! せっちゃんさん凄いですね! 僕のそこまでとは思ってなかったです」


「いやこれは、せっちゃんの戦闘センスもあるだろうけど、ラズの技術もあってこその結果だよ。ありがとうラズ」


「えへへ、そう言ってもらえると僕も嬉しいです」


 照れ照れ笑うラズと、サムズアップするせっちゃん。和むわぁ。癒されるわぁ。


 装備が完成するまで、1日に1回は3階層を攻略し、余った時間は、魔鉱石を中心に鉄鉱石も採掘して、2日後の装備完成まで過ごした。



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現在の装備一覧


初心者の剣

初心者の木の盾

初心者の弓

地下足袋


初心者物干しセット


テイムスキル

体術スキル


生活用品一式

醤油 


大きな棍棒

大きなカイトシールド


ツルハシ 3本

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設備

鍛治設備一式

洗濯機一式

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従魔


新ボディーゴーレム(せっちゃん)


ロリドワーフ(ラズ)


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ドワーフ 35体 Dポイント +525

サイクロプス 3体 Dポイント +1200 

魔石合計 Dポイント +1,725


アイス等 Dポイント 100


食事 朝夕変更+2名×3日分 Dポイント 120


残 Dポイント 4,490


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