第8話 捕まえたぁぁぁ!

 次の日、朝食を済ませ、ドワーフ狩りです。


 せっちゃんに盾を装備してもらって、ガンガン俺が狩ります。


 いざぁぁぁぁ!!!


 ボス戦は時間がかかるので、ボス前まで行ったら、部屋まで戻って、ダンジョンを開け閉めしてリポップさせます。



「またお前らかぁぁぁぁ!!! 女を寄越せぇぇぇぇぇぇ!!」


 なかなか現れないロリ。途中から、剣を振り回して、ザクザクしてストレスを発散。



 もう夕食の時間になる程に周回していたが、ついに……ついに! 現れた!


「いたぁぁぁぁぁ!! 3人組! せっちゃん! あのロリを掴んで拘束!!」


 残りの2体を、振り下ろされるツルハシを掻い潜り、首を刎ねていく。


 せっちゃんに摘まれて叫ぶロリ。


 いざ参らん!


「お前は俺のもんだぁぁぁぁ!! 【テイム】!!」


【テイムが失敗しました】


 あぁ無常。


 諦めません。


「せっちゃん、悪いけどそのまま拘束して、ちょい下に下げて」


 両手で拘束しているロリを下にさげてくれたので、弱らせて再度テイムだ!


 首裏に手刀を叩き込む。


 上手いこと決まり、フラフラと頭を揺らすロリ。


「【テイム】!!!】


【テイムが成功しました】


「よっしゃぁぁぁぁあああああ!! せっちゃんそれおろしていいよ。一旦帰ろう」


 降ろされたロリを肩に担ぎ、部屋に帰還する。


 ロリは砂埃で薄汚れいたので、サイクロプスの布に寝かせておく。


 その間に、魔石を売却する。


 何体も倒したので、ツルハシが3本ドロップした。


 ツルハシは、とりあえず壁際へ。


 Dポイントは、4,860増えた。いやぁ、めっちゃ狩ったわ。


 画面をニヤニヤしながら見ていると、「うぅん……」と声が聞こえた。

 ロリドワーフが目を覚ましたようだ。


 ロリドワーフの外見は、目元にそばかすが有り、髪はゴワゴワしたショートで赤紫色……ラズベリーのようだ。

 服は、麻布のようなゴワゴワした上下で、足枷か首輪を着けたら、奴隷のような見た目になってしまうだろう。


「ここは……」


「よう、起きたか?」


「ひぅッ」


「そんな怯えなさんな。俺はシゲオ。んで、あの石像はせっちゃん」


「えっ……え?」


「まま、落ち着きたまえ。俺が君をテイムした」


「……ふぅ。落ち着きました。はい、理解しましたマスター」


「マスターか。まぁいいか。君名前は?」


「名前……ない、ですね……」


「記憶が無いのか?」


「そう……ですね。ここで起きる前までの記憶は無いみたいです。ただ、鍛冶やそれに関連する知識はあるみたいです」


「なるほどな。なら、うーーーん。安直かも知れんが、ラズって名前はどうかな? 髪の色がラズベリーって果物に似ているからさ」


「ラズ……。僕の髪、そんな色なんですね。響きも良いですし、ラズでお願いします」


 微笑む純朴系僕っ子女子。可愛いです。


「お、おう。良かった。改めてよろいしくなラズ」


「はい! よろしくお願いします。ところで、あのせっちゃんさんは、ゴーレムですよね?」


「え? 石像じゃないの?」


「あ、はい。僕の知識の中に、土や石や鉱石をコアに纏い、人型の様な姿をとる魔物は、ゴーレムというものが有ります」


「そうなんだ。せっちゃん、ゴーレムなの?」


 ゆっくり頷くせっちゃん。


 どうやら、ドラク○のうご○石像ではなかったようです。


「ゴーレムは、無駄な土や石や鉱石を纏っているので、とても動きが遅いんです」


「確かに遅いな」


「僕の知識の中に、ゴーレムを再形成する知識も有るみたいで、動きを速く出来るかも知れません」


「マジか! モデルを女性にしたり、関節とかその辺も変更出来たり?」


「あ、えっと……女性には出来ますが、関節に関しては、特に改善の方法は無いですね」


「ふむ、ならモデルというかサンプルが有れば再現出来る?」


「ちょっと見てみないと分からないです……」


 しょんぼりロリ。


 デッサン用の関節が動かせる女性モデルの人形を買って渡してみよう。


 俺は、Dショップで、デッサン用の人形を購入し、木箱から取り出しラズに渡す。


 Dポイント 600。



「こ、これは! 少し時間をください!」


 そう言って、人形を隅々まで観察し動かすラズ。


 しばらく待っていると、「理解しました!」とラズが声をあげた。


「お、そうか。じゃあ、女性モデルで再構成してくれ」


「はい。分かりました! せつちゃんさん、コアをお願いします」


 そうせっちゃんに声を掛けると、せっちゃんが片膝を突き、前屈みになる。すると左胸……心臓部分から白いカケラをポロポロこぼしながら、コアが迫り上がってきた。


 そのコアを、両手を掲げ受け取るラズ。


 コアが抜けた石像は、崩れてしまった。


「これがゴーレムのコアです。この白いのですが、たぶん石膏が主原料ですね。ですが、せっちゃんさんの魔力によって、特殊な土になってますね。これに鉱石を混ぜ合わせたら、もっと頑強なゴーレムが作れますが、有りますか?」


「ドロップした鉱石ならあるな。あそこにあるやつなんてどう?」


 部屋の片隅に積み上げてある鉱石の山を指差す。


「あれは、鉄鉱石ですね。このままだと不純物が多くて、今より脆くなってしまいますね」

 

困ったように苦笑いするロリも可愛いなぁ。いかんいかん。


「もっと良い鉱石と不純物か。例えばどんな物ならいいんだ?」


「そうですね。鉱石を使える様にするには鍛治設備が有れば不純物は取り除けますね。あとは、魔力の多いところにある魔鉱石ならもっと強化出来ますね」


「魔力? よくわからないんだが、どんな所にあるんだ?」


「例えばですが、強力な魔物の寝床になっている場所とかですね」


「強力な魔物? ドラゴンとか?」


「そうですね。ドラゴン程の魔物なら有ると思いますが、そんな場所なかなか近づけないって知識がありますよ」


 ふふふ……それが有るんだよロリよ。


「有るぞ。そんな場所。しかも危険もない」


「え! 本当ですか!?」


「とりあえず行ってみるか。ツルハシも有るし。せっちゃんのコアはその布にでも安置しておいて」


「はい、分かりました。せっちゃんさん、ちょっと待っててくださいね」


 俺たちはツルハシを持って、ドラゴンが挟まっていた1階層の通路へと向かった。


 通路に着くなり、ラズは駆け出した。


「こ、これは! こんなにいっぱいの魔鉱石、僕初めてみました!」


 でしょうね。起きてからの記憶しかないからね。


「これなら、元々せっちゃんさんが身体にしていた土と混ぜ合わせて、より頑強で素速い動きの出来る身体が出来ます!」


「おぉ! それはいい! じゃあ早速集めよう!」


「はい!」


 ガンガン採掘し、俺とラズは何度も部屋と往復し、魔鉱石を取り尽くした。


「ふぅ、取り切ったな」


「これだけあれば、防具も作成できますね! 設備がないですけど」


 えへへっと笑うラズ。かわいぃぃいい。


「ヨシ! オジサン買っちゃうよ〜!」


 ニヤニヤした顔のまま俺はDショップを立ち上げ、鍛治設備を購入する。


 Dポイントは5,000だった。


 購入すると、トイレのドアの横に、もう一つドアが出来た。


「購入したぞ。あのドアだ。行ってみよう」


 そう言って俺は、ラズを連れてドアを開ける。


 すると、目の前には、立派な鍛治設備一式が揃えられている大きな部屋があった。


 入り口近くには、囲いがあり簡素なベッドが1つと、洗面台、机や椅子もあり、ここで寝起き出来るようになっていた。


 鍛治設備は、炉や石炭、鉄床かなとこに、何に使うか分からない様々な大中小のハンマー、水の入った樽、細工用の机やらなにやら等、様々なな物があった。


「わぁぁ! こんな充実した設備なんて初めてみました! マスターありがとうございます!」


 ぴょんぴょん跳ねて喜ぶラズ。


「お、おう。そんなに喜んで貰えて嬉しいよ」


「あ、せっちゃんさんの装備のイメージってありますか?」


「ふむ……ヴァルキリーみたいなのがいいな」


「ゔぁるきりーですか? すみません、僕わからないです」


 しょんぼりラズ。


「ならフィギュアを買うか。ちょっと待ってて」


 俺は部屋に戻り、Dショップでヴァルキリーのフィギュアを探す。


 購入したのは、ヴァルキリープロファ○ルの主人公のフィギュア。それをラズに渡す。


 Dポイント 500。


「わぁぁ。綺麗ですね。ヘルムは羽とかないので難しいですが、スカート部分は、あの布使わせていただければ作成出来そうです! あと関節部分には防具をつけるようにしますね!」


「オッケー。ヘルムはフルフェイスタイプでいいよ。布も使っちゃって」


「はい! ありがとうございます。まずはインゴットにして……うん! 早速取り掛かりますね」


「おう。頼む。後で飯持ってくるけど苦手なものあるか?」


「記憶にありませんが、たぶん大丈夫だと思います」


「はいよ。じゃああと2時間くらいか。それくらいしたらまた来るよ」


「了解しました! 頑張ります!」


「程々にな」


 そう言って俺は部屋に戻り、Dショップで食事の追加などの変更を行って、おじ様のDTubeを観ながら時間を潰した。


 防音対策されているのか、鍛治部屋の音は聞こえなかった。


 18時になり、肉料理(親子丼お新香味噌汁付き)が木箱に現れたので、ラズの所に持って行き声をかける。


「ラズー! 夕飯来たから、ここに置いとくぞー!」


 カンカンやっていたので、囲いの中にあった机に置いておく。


「はーい! キリが良いとこまでやったら頂きますねー!」


 カンッカンッ


「温かいうちに食べなよー」


 そう言い残して部屋に戻り、食事をして寝ることにする。


 なお、せっちゃんのコアはバスタオルに包み、ノートパソコンの横に安置しておいた。



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現在の装備一覧


初心者の剣

初心者の木の盾

初心者の弓

地下足袋


初心者物干しセット


テイムスキル

体術スキル


醤油 


大きな棍棒

大きなカイトシールド


ツルハシ 3本

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設備

鍛治設備一式


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従魔


石像→ゴーレム(せっちゃん)

装備:大きな棍棒 or 大きなカイトシールド


ロリドワーフ(ラズ)

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ドワーフ 156体 Dポイント +2,340

魔石合計 Dポイント +2,340

設備 Dポイント 5,000

フィギュア 2体 1,100

1日の食事 朝夕変更+2名 Dポイント 40

(夕飯からなので今回は30)


残 Dポイント 3,440



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