第3話6人のバカ学生

その日は、ゴールデンウィークの最中であった。新入生の6人は朝からバイトに勤しみ、夜になると山田のアパートで安酒を買い集め飲み始めた。

彼らは、草野球サークルを離れ新しいサークルを作ろうとしていた。山田は10人の女の子に声を掛けたらしいが実際何人集めれるのか、他の5人のバカに期待を寄せられていた。

佐々木は安ウイスキーのコーラ割りを飲んで、饒舌になっていた。

竹田がいいちこをビールで割って飲んでいるのにたまげた、他のバカは、

「やはり、静岡県民は発想が違う」

「カテキンで酒に強いのか?」

と、言って佐々木にウイスキーのビール割りを飲ませた。

佐々木は拒んでいたが、誰かが、

「本物の九州男児は酒に強い」

と、言ったので大人でも飲まない酒をグビグビと飲んだ。

時間は24時過ぎ。

酔っ払った6人は、カラオケに行きたいと言う伊東の言葉にいぬい、真壁が賛成し30分歩いてカラオケボックスに入る。

ファーストドリンクは皆、ウーロン茶であった。バカ6人だが、賢明な選択だ。

乾がGLAYの歌を熱唱していた。

だが、周りは誰も聴いていない。3人がトイレでリバースしていた。

佐々木も洗面所でおもいっきり、どす黒い液体をリバースすると、真壁が、

「佐々木がヘド吐いたぁぁ~」

と、叫ぶ。

ヘドの正体はウイスキーのコーラ割りのコーラの色素であった。

交代で、6人ともリバースした。


トイレから戻り、佐々木がタバコに火をつけ、フーッと煙を吐くと、

「佐々木、カッコ良すぎ!」

と、伊東が叫ぶ。コイツらは、兎に角酔ってるから、いちいち叫ぶのだ。

「何がカッコいいの?」

と、佐々木が伊東に問うと、タバコの吸い方らしい。

伊東も試しにタバコを吸ったが、喫煙者ではないので、激しくむせた。

その様子を周りは笑う。

夜中の3時。全員、山田のアパートに泊まった。

このバカ6人は、女を捕まえるには程遠い。

確率は天文学的数値である。

山田の罠に引っ掛かる女は果たして何人いるのか?

その晩、伊東と竹田は寝ゲロした。

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