第24回『作る』:適正価格

 原価3割、人件費輸送費やらで残り7割。細かいところは別として内訳なんてそんなもの。

「だって、国産高いじゃん。輸入品のほうが良い」

 アクセサリーなどの奢侈品なら、原価1割、デザイン料やら人件費やらで残りの9割。それが基本。

「だってこれ、原価はせいぜい500円くらいよねぇ?」

 芸大・美大の儲け度外視の学祭やら、怪しい業者の直輸入品大セール、刑務所作業品やらを愛するその人は、なんにでも高いと文句を言い虫やら瑕疵やらで騒ぎ立て、「この仕事でこの給料って安過ぎ!」と始終不機嫌をまき散らす。


 商品・作品。向こう側にいるのは生活者だ。

「フェアトレードは如何です?」

「高いじゃない」

 何言ってるの。胡乱な目が返される。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る