第12回『装い』:装う人々
『異星人』はパフェを食べつつSF漫画に愚痴を言い、『異能力者』は紅茶を傾けライトノベルを斜に読む。『転生者』はプリンを供に歴史小説に涙して、『人外』はケーキを前にホラー映画を語り続ける。
「今日も嘘つきばっかりだね」
声の低い長身美女がカウンターの一角を占め、店主は珈琲を用意する。
侵略が、大地震が、義務教育が、満月が。店主は『自称』の言葉を微笑みながら聞き流す。
「マスター、良い人過ぎ」
珈琲、おいしい。美女は笑む。
メモリ整理が完了し、店主は徐に目を開く。髪に秘されたコネクタからケーブルをそっと抜き放つ。
――人を装うお人形さん。
制作者の無邪気な声が、連想記憶で浮かび上がり。
一日のルーティンを開始する。
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