歯周病

歯周病菌が原因の歯周病は「世界で最も蔓延している感染症」とも言われる。


・歯肉炎

栄養障害、アレルギー、ウイルス感染、歯磨剤への反応、外傷など様々な要因で歯肉炎は生じる。歯垢が原因となる場合、歯磨きによる歯垢の除去が不十分な状態が継続し歯垢が 7日程度滞留すると歯肉炎が生じる。

※主な歯肉炎はプラーク性歯肉炎であり、原因を除去すれば完治可能である。


・歯周炎

主な歯周炎は慢性歯周炎であり、原因を除去しても破壊された組織は自己再生しない。特徴として歯肉炎が歯周炎に進行し、セメント質、歯根膜および歯槽骨が破壊されることが挙げられる。

※破壊された組織は、再生療法によっても回復することは稀である。



***


「だから、アルバイトは嫌いなのよ」

遅刻してきた蜂羽さんに、正論をぶつけた結果に返ってきた言葉が、



これ だ☞ 1 2 3 ⇨


「いいかしら、光楽さん。

 正社員、っていう存在は 偉大 なの。

 体調管理のために、遅刻しても問題ないの!」


「ほへぇ」

そうなんだ、と納得している光楽さんに

呆れた平井はこう言った。


「じゃ、もう辞めたら?

 退職金、奮発するよ」


「はぁー!!? 先生は、バカなの?

 『働きたくない』のと同じくらいに、

 安定して お金をもらえる職場に 就いていないと

 ストレスを感じるんです!」


高圧的な態度で迫れば、ぜったいに平井が折れる事を熟知している蜂羽さん。


いつもの日常は、午後の診察から はじまった――。



*・゚・*:.。.*.。.:*・゚☆*…


「先生。急患の受け入れ要請です」

「あいよ」


どうやら近場で交通事故があったらしい。

電話応対をしている蜂羽さんの顔が、険しくなっていく。



「はい。大丈夫です。

 平井歯科医院へ運んでください」


『―――――――』

「歯科医です」


『―――――――!?』

「問題ありません。

 こちらへ運んでください」


『―――――――!!』

「いいから。――ハコベ、つッてんだろ!」


ものすごい剣幕で、蜂羽さんは受話器を置く。

「何かあったんですか?」と光楽さんが訊ねていた。


「いいから。

 光楽さんは、自分の仕事をしてちょうだい」


眉間にシワ。

どうやら、先ほどの救急隊員の応対に不満があったようだ。

踵をかえし、医院長に患者の説明をはじめる。


「男性が運ばれてきます。

 大腿だいたい部の骨折、および頚部けいぶより先の欠損。

 バイタルは、安定していません。

 というか、虫の息です」


「あいよ~」


平井は気楽に返をして、『ドッペルゲンガー(?)』を作り出すと

そっちは任せた、と言って予定していた処置室の方へと向かう。


「え、いあう☆◆。?*▽■◇?」


あまりの出来事に、光楽さんは驚きを越した表情をする。

はじめて見るこの顔に、思わず笑いだしそうになった。


(だら。お会計が、笑って手が震えるじゃん…)


この歯科医院には、【開かずの扉】がある。


本来、壁の向こうは 駐車場となっている ハズなのだけど、

先生の指先が触れると『手術室』へとつながる 扉 となるのだ。


◇◇◇


患者は目覚めると、自分の左手を見ておどろいた。

それに、ズボンが新品のように綺麗だった。


「ここは―――?」


「目が覚めましたか?

 ここは歯科医院です」

「あの、俺。どうして ここへ」


「虫歯が痛むといって、救急車で運ばれてきたんですよ。

 覚えていませんか?」

「でも、俺! ずっと昔に、事故で 指を失くして、、、

 それが、急に………」


失くしたハズの親指が、そこにはあった。


「あちゃ~。てっきり交通事故で そこも失くしたもんだと思っていたよ」

平井は頭を抱えた。


「せんせい。これは訴訟案件ですね」蜂羽が ほほ笑む。


青ざめた顔の平井は、いつも通りに額を地面にこすりつけると、

患者に向かって、土下座がはじめる。



「どうか、どうか!

 今回の診療は、なかったコトにしてください!

 なにとぞ、ご容赦を~~~」



平井医院長は『異世界からの転生者』らしい。


だからなのか、どこか抜けている。

でも、そんな先生だからこそ。


愛してやまない、先生 で ある―――。



🦷 ははは 🦷

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