第28話 いざ出発

 討伐への出発場所は、宮殿前だった。


 宮殿のバルコニーに、統治者一家、ハンター協会、魔法協会、ギルド協会などお偉いさん方がたくさんいた。


 そして、何より討伐に参加する人数の多いこと多いこと。

 あんなざっくりした依頼書だけど、依頼人が統治者で、賞金がすこぶる良いとあって、集まったなー。


 アランは、驚きながら、大変さを痛感していた。


 どの人が、昇級の試験官だろう。

 そういえば、ハンターも誰かしらリーダーを入れているはずだ。

 うーん、みんな厳つくて分からん。


「おい、お前!」


 アランは、声のした方を見た。

 馬車で一緒だった新人ハンターくんだった。この子、15か16歳ぐらいだよね。


 えっ、俺、今、お前って言われた!?


 新人ハンターくんは、俺の前に立った。


「馬車で一緒だったろう。これも何かの縁だ。俺が守ってやるから、組もうぜ。」


 ふむ、よくある展開だよね。


 って、この子の実力は如何に。



「……いいぜ。よろしくな。」

 アランは、一瞬躊躇したが、自分を援護してくれる者が必要なので、実力はわからないが、とりあえず側においておくことにした。



 彼が連れているニゲル種も、まだ子供だな。ちょっと落ち着きがないな。

 調教されているのかなー。



 ……ボッサとスタさん、大人しくしてるかな。


 アランは、急激に寂しくなった。


 早く帰りたい。


 アランが、回りを見渡すと、魔法使いがたむろする所には、リーダーのように取り仕切る者が現れたらしい。

 助かるー。


 ハンターたちにも、リーダーが、おー、強面こわおもてさんが仕切ってるー。

 さすがだ。なんかよく分からないけど、さすが強面こわおもて


おっ、馬車が来た。

凄い数だな。ハンターは、馬やら魔獣やらに乗る者が多いな。

んっ、魔法使いも以外と馬に乗ってる。


「おい、早く馬車に乗るぞ!」

新人くん、気合い入ってんなー。


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