第2話 侍

 肥後の国、豊富な資源に恵まれた活気あふれた場所である。道を行き交う人々の中に刀を担いだ男が歩いている。男は茶店に立ち寄る。団子を食べながら歩いていると、向かいから刀に手を置き歩いてくる男とすれ違う。その時、茶店から悲鳴が上がる。中から男衆が走り出す。「盗人よ!誰か捕まえて!」すぐに二人の侍が追う。男衆の行く手に侍が立ち塞がる。「お前!そこをどけ!」「どかせたければ力づくでどかせてみな」向かって来る男衆を侍が一網打尽にする。駆けつけた町奉行が男衆を捕らえる。「君、礼を言う」「お安い御用だ」もう一人の侍が腕組みをしながら言う。「拙者の出番はなかったでござる」「お前、只者じゃないな。一度、手合わせ願おう」「いいでござる」二人の侍が向き合う。「行くぞ」刀と刀が衝突する。「強い。が、甘い」「何!?」もう一本の小刀が相手の首元にかかる。「拙者の負けでござる」「お前の居合抜き、凄かった。名を聞こう」「オサフネでござる。お主の名は何という?」「シンメンタケゾウ。只の旅の者だ」「覚えておくでござる」二人の侍は別れる。

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