第30話 優しいお化け屋敷2

 他にも今期のアニメグッズ販売所にトロッコが止まり、オタクたちを引き止めて何人か商品をお化けコス店員生徒に持っていき金を支払っていた!!


 うーむ、なんてとこなの。


 中の装飾も子供が喜ぶようにキラキラしていてお化け屋敷とは一体?

 お墓もギャルの手によりデコレーションされてて何にも怖くなかった!!

 なんなのこのキラキラデコ墓は!

 ギャルのお化け達も


「あーし達の力作、映えスポットだよーー!SNSに載っけてってねー!!」

 と映えスポットにして客寄せしとったーー!!


 魚住は因みにギャル達に引っ張られ写真を撮られていた。私には目もくれない。


 そして百合とBL新刊本コーナー!!

 これには私も驚く、クオリティ高いBL新刊本がありお小遣いをはたき、何冊も購入してしまった!!

 しかもそばにはBLお化けコスの男子生徒イケメンと美少年が


「これ全部売れたら嬉しいな♡」

「そうだな、疲れたら休憩していいんだぞ、俺の膝で」

 とイチャイチャしているから堪らん!


「魚住…あれ全部買えないかしら?」


「無理だアホ」

 と一つずつしか買わせてもらえなかった。ちっ!


 その後もドジっ娘お化けやら可愛い感じのお化けコスをした人が驚かしに来るが可愛いだけで全く怖くない。


 出口になるとお土産にジュースと化粧品サンプルを渡された。


「なるほど未成年にはジュースか」

 と魚住は感心した。ともかく戦利品もゲットし私達はホクホクだった。


 高清水ひょっとこカッパにお礼を言い次へ行くことにした。


「いやあ、流石聖月くんだ!」


「お金の力が大半だけど中々質が良かったわね!流石優しいお化け屋敷ね!」


「あれなら文化祭一位も狙えるんじゃ?」

 と思っていたら


「ぎゃーー!」

 と高清水ひょっとこカッパが悲鳴をあげたので振り返るとヤンキーみたいなイカつい男5人組がいちゃもんをつけて脅していた!


「おいおい、何だこりゃ優しいお化け屋敷見にきたらガキの展示かよ?優しいなら俺にお小遣いくれよーー?

 なあひょっとこー?」

 とウヒャヒャと男達に笑われるひょっとこカッパ。


 この手の輩にはやはり風紀委員を呼んだ方がいいのかしら?それとも先生かしら?


 しかし中からズタズタになった等身大パネルのお化けコスのミミたんの首を千切って持って来たのか蹴って遊び出したヤンキー達を見て遂に魚住がキレた。


 私に買ったグッズなどを無言で預け…、


 魚住は静かに男達に近寄ると思い切りあそこを蹴った。


「ぎぁああああー!」

「てめえ、何しやがる!!」


「は?何しやがるはこっちの台詞だ!楽しい文化祭、もといミミたんをそんな風に扱うとか…ないわ。


 お前らぶちころす!!」

 と魚住がかつてないほど怒りを露わにしている。余程嫁を汚されて怒っている。


 しかし乱闘になれば魚住退学もあり得る!それは不味い!


「待ちなさいよ!!ちょっと!!」


「あ?何だてめえ?」

 ヤンキーの1人が私を睨み、


「ブスは引っ込んでろ!!」

 と言った。


「は?ぶ、ブス?」

 まさか私のことじゃないわよね?


「ブスのくせに楯突いてんじゃねーぞ!?」

 やっぱり私のことかーー!!


 と涙目になり睨むと


「何してんだお前ら」

 と通りすがりのなんとアパートのお隣さんのひーちゃんこと石神ひさしさんが!!


「あっ!!石神さん!!」

「何でここに!」

「あ、こいつら生意気でさー、石神さんもどうです?こんな変なお化け屋敷ぶっ潰して…」

 と言い切る前にヤンキー共が空中を舞った!


 いや、殴られた。


「俺の知り合いに何してんだてめーら!!」


「ひっ、石神さんの知り合い!?」


「そうだ!俺の知り合いだ一応!!」


「ひー!!すみません!!そうとは知らず!!」

 とヤンキー達が焦り始めたところで風紀委員と先生が来た。


 別室で事情を説明し反省するヤンキー達。


「ひーちゃん助かったよぉ!」

 と魚住が言うと


「ひーちゃん言うな!


 まあ、あいつらも悪かったな、こう言う文化祭潰しにワクワクするバカだから。


 お前らの高校で暴れるって前日に連絡あってさ、見に来てみればこれだよ」


「あんたの部下ならちゃんと躾しときなさいよ!もう少しで魚住が退学になるとこだったわ!」

 と言うと


「いや、俺はあいつらにわざと殴らせて裁判持ち込み慰謝料ぶんどる気でした!」

 と言ったのでこいつ、なんてやつなの!と思ったが


「すまねえ、別に部下じゃなくて勝手に慕ってくる奴等だが、めんといから放置しすぎてな。こいつらも反省して立ち入り禁止にしとくわ。迷惑かけたな」


 とひーちゃんは謝る。

 高清水カッパも


「ひーちゃんさん、僕はなんともありません、あ、そうだ。ひーちゃんさんにもお土産ですぞ」

 とお菓子やビールに百合本とひょっとこ面を、ビニール袋に入れて渡した高清水は


「いや、百合本とひょっとこは完全にいらねえわ!」

 と言う。


「いやいや、この百合本は僕の最高傑作ですぞ?」

 と言うがひーちゃんは嫌そうな顔をして帰っていった。


 全くとんだ文化祭ね。


 と別室を出て歩いていたらお祖父様がSPと歩き左から右から暗殺者の男が現れてばっちり鉢合わせになった!!

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