ポンコツお嬢様とその執事クソである
黒月白華
第1話 お嬢様お年玉ください
「ということで、明けましておめでとうこざいます!!お嬢様(♡)お年玉ください(♡)」
新年、というか深夜0時0分になった瞬間、狭い1Kアパートの1室で長年
奴は私、
なぜ私がこんな1Kアパートでこんなクソアニヲタ執事と暮らしているのかというと、昨年末に小檜山財閥主催の恒例年末パーティでお祖父様によるダーツ大会が行われ、ダーツで景品の書いてある的を当てるのだけど…中にはハズレな景品も混ざっていて、もう言わなくともわかると思うが私は完全に貧乏くじを引いたと言うか
【狭い1Kアパートで1年間暮らす】
を引き当て…絶望した。
もう死にたい。
大金持ちの小檜山財閥の一人娘が、よりによって1Kアパートですって!!?
「頭おかしくなるううううううあうあいうあうううあうあううああ!!」
と発狂したのは言うまでもない。
しかしお父様もお母様もお祖父様も一族の皆さんも楽しい余興だといい、私はもはや罰ゲームみたいな一年を…これまたよりによって専属執事のこの男と過ごすことになった。
腐っても私の執事なのでおまけでついてきた。
因みに狭い1Kアパートに室内テントを入れてとりあえずその中に布団を敷き詰めて仕切りを作った。もう片方のスペースは奴のスペースである。もはや漫画喫茶かと思う程漫画とリクライニングチェアーとアニメ見るためのパソコンと漫画が散らばって壁にはアニメキャラのポスターがびっしり付いていた!!
「魚住?」
「はい、何でしょうかお嬢様?さっさとお年玉1億円くれないと拓磨、拗ねます」
と笑顔でイケメンスマイルしてくる!!
「黙れ。埋めるわよ?」
と笑顔でこちらも返すと
「いや、だって年明けたらお年玉でしょ?一年の始まりじゃないですか!てことで1億円!1億円!」
とイケメンがヲタダンスしだしてうざい。
仕方ないので財布から1円を出して渡すと
「酷い!!」
と泣いた。
「うるさいわ!ばーか!ばーか!あんた経済状況わかってんの!?
1年間この狭いアパートであんたみたいなバカと一緒に暮らさないといけないと言うハズレくじ引いた可哀想な私の身にもなってみなさいよ!!
ああ!なんて可哀想なの私!美少女の私!!」
「うわー…。自分で言ってるわ。引くわー。つか金出さない女とかマジ用無し」
と魚住はイヤホンつけてアニメ映画を見出した。
私は漫画を箱に入れた。魚住が気付きイヤホンを取り、
「あ!人の物に勝手に何してるんですか!」
「うるさいわボケ!この漫画全部古本屋に売って金に変えてお餅買うのよ!!」
と言うと青ざめて
「マジか…このご時世に古本屋で!?そんなん10円ほどにしかならないよ!!」
と言われて
「え?マジで?」
と聞き返した。
「そうですよ、金の価値のわからないお嬢様。まだフリマアプリで売った方が…。と言うか売るな!!俺のです!!」
と箱を取られてしまった。
「ああー!私のお餅いいいいい!」
と泣くと
「やかましい!!これでも食ってろ!!」
と魚住はカップ麺を出してきた。年末からずっとこれだ。
「ふざけんじゃないわよ!!もう飽きたわよ!!いい加減にしなさいよあんた!!
私を誰だと思ってるのよ!!」
とキレると耳ほじりながら太々しい態度で
「はい、超絶に運が無く、頭の弱い自称美少女の小檜山財閥の一人娘、小檜山美玖様であらせられます!
お嬢様俺がいないと何にも出来ない人間のカスですね」
と言われる。
「アァーン!!!?やんのかこのクソアニヲタ執事が!!」
と言うと上から頭を掴まれ
「やってみろ!この、どチビバカお嬢様が!!」
とバチバチと睨み合ってると隣の人がドンて壁を叩き
「うるせえわ!喧嘩っプルがあああ!外行けや!!」
と怒鳴られた。
「えっ…カップルじゃない…」
「カップ麺と間違えたのでしょう。それじゃお嬢様…コンビニのイートイン行きましょうか?」
「うん、行くー」
と私達は正月早々コンビニに向かった。
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