その占い、信じてみる？

第1話 やば

　新年到来。

　思えば去年はおそろしく酷い年だった。厄年だったし、彼氏に浮気されるし、詐欺に引っかかってお金を取られるし、散々だった。

　けど、もう新年！！ 今年は楽しむわよっ！！

　なぁ〜んて張り切っていた癖に。見てしまった。

　だってさぁ、新年あけたら絶対に見るでしょう？ 今年の運勢を。

　今は参拝しなくたって、有名な占い師に課金すれば、生年月日と血液型と性別だけで、自分だけの運勢を占ってもらえる時代になった。

　けどさぁ。

　結果を見て唖然とするあたし。

『あなたの今年の運勢は最悪です。誰の言うことも信用せず、慎重にまじめに働きましょう。また、男性に裏切られてしまったり、コツコツと貯めてきた貯金がなくなることもありますので、充分注意しましょう。今年は焦らず、前向きに頑張ってください』

　じゃねぇーよっ！！

　厄年？ 昨日、というか、もう去年か。しっっっかり終わったはず。去年散々その最悪を味わったわ。っていうか、この占い師は課金した人間にあなたの運勢は最悪ですって言われた側の気持ちはわかってるの！？

　なんなの！？

　どうなってるのぉ〜！？

　……とりあえず、実家に帰ろう。こんな時は、お母さんの助言に頼るしかないっ！！

　そして、占いというものは結構当たるもので。

　マンションのエレベーターがいきなり暗転！！ え〜！？ ちょっと、どうなってるのぉ〜！？

　つづく