第3話

気がつくと眞蓋那は人気売れっ子俳優になっていた。

「クロデミー賞受賞おめでとう」

知り合いのプロデューサーが眞蓋那に

声をかけてくる。

「眞蓋那さん。おめでとう。また今度、違う

作品でご一緒しましょうね」

女優の城沢亜紀。

昨晩、この女とは寝た。

その他にも4、5人の女優を抱いていた。

昔からは考えられない、夢のような生活の

はずだった。

だが、梓がいない。

埋めるべくもない喪失感の中で、眞蓋那は

また頭を抱えた。

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