第3話 冷たい道




ーー世界から愛された少女は願う


ーーただ普通の人に与えられるものを


ーー自分にも与えてほしいと……


 濡れた道を歩いていく


 雨が降って


 すべりやすくなっているけど


 寒くて寒くて 震えそうになるけど


 あたたかい道なんて 必要ないから


 このまま道を歩いていく


「隣の道はとても歩きやすそう」


「太陽の光がここちよさそうね」


「だけど……」


 世界よ


 私に優しくしないで


 私を甘やかさないで


 私は成長したいの


 用意された道なんて歩きたくない


「あたたかい道を歩いている人達は


 きっと幸せなのだろうけれど


 私は それを求めていないから」


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