なにか

微睡み

いつもこんな夜には、現れる。

それは得体の知れないもの。

悪いものなのか良いものなのかも分からない。

「また来たんだ。」

長いまつ毛を揺らす。

それがいる方向に目を向ける。

あまりに長い間同じ時間を共にして来たせいか、もう恐怖は薄れてしまった。

ストレスを溜め込んでしまいがちな私。

寝付けない夜に決まってそれは現れる。

決して返事をしないそれと一方通行の会話。

会話とも言えないかもしれない。

「どうしてそばに居てくれるの?」

聞いても返事は無い。

話していると段々と心地よい微睡みが襲う。

朝になると、またそれは姿を消していた。

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なにか @youko_kitune

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