14 襲うのは簡単
仲間を、部下を探そう。
彼女と会った後。
プロセスは変更だ。
JP01は、決断した。
大西洋、フロリダ半島に近い、とある海岸に向かった。
非常に好都合だった。部下との合流地点はこのすぐ近くだったのだ。
海面に浮かび、待った。
彼女が今日、海岸近くで特殊な植物を収穫する予定であることを知っていた。
しかも、ひとりで来るはず。
遠くで砂塵が舞った。
閃光が光った。
彼女は兵士ではないが、大陸をひとりで横断できるほどの戦闘能力を備えているはず……。
みるみるうちに近づいてくる。
肉眼でも人の姿が視認できる距離。
やはりひとり。
まるで測ったかのように、ジャストポイントに自分は浮かんでいる。
幸運だった。
海中とはいえ、彼女のセンサーはすでにこちらの存在を感知しているだろう。
こちらに関心を払わなければ、海の中に入ってくるはずだ。
襲うのは簡単。
こちらが邪魔だと判断すれば、攻撃を仕掛けてくるだろう。
それは、もう、今。
はたして、レーザー砲がこちらを向いた瞬間、閃光が発射された。
その刹那、JP01は姿を消し去った。
肉体は、目に見えない微粒子の粉末となって。
レーザー弾が派手な音を立てて、辺りの空気や岩や海水を切り裂く。
しかしそのときすでに、霧となったJP01は一気に五百メートルほど突き進んで、彼女の体を覆っていた。
JP01はたちまちもう一人の自分自身の体内に進入し、彼女がどんな行動を取るより早く、ひとつの作業を終えた。
そしてたちまち、再び霧状となって海に戻った。
さあ、向かおう。部下のもとへ。
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