アンドレは愛について知っていたんだ、ガルケス

えんぴつ

アンドレは愛について知っていたんだ、ガルケス

彼女は新幹線に突っ込んでも原型を保っていたし、マンションから飛び降りて脳みそ爆弾になろうとしても原型を保ったままだっただろう、と医者のジェイソン・フォースルームは答えた。

僕はホッとした。彼女の姿は美しいままだったのだ。例え死んでもそれは変わることが無かった

。多分痛かったね。痛かったと思うよ。絶対に。でも涙の一粒も流さず死んだマリアはとても美しいのだ。"RED IS A GIRL'S ARMOR"死んだマリアが最期に着ていたシャツにはそう書かれていた。とても美しい詩だけれど、彼女は血の一滴も流さなかった。皮肉か、寓話か、わからない。

彼女は涙の一粒も流さなかった。

彼女は血の一滴も流さなかった。

僕は彼女とキスをする。

僕は彼女とセックスをする。

マリアは僕に微笑む。

僕はマリアに微笑み返す。

その本にはヴァジャイナは熱く濡れたバターのようだったと書いてあった。

その本には甘い優しい絶頂と書いてあった。

身体障害者という言葉はおまんこという言葉よりも高レベルにある、とある作家は言った。

そうだった。

そうなのだ。

彼女は最期まで美しく死んだのだ。

赤はね、共産主義の色じゃないのよ、カール・マルクスはクソ喰らえよ。

赤は少女の鎧なの。

マリアはそう言って死んだ。そういう事にしようと思う。ガルシア・マルケスも許してくれるだろうさ、アンドレ・ジッドはそう僕を慰めた。贋金つかいは愛について知っているのだ。

マリアの美しさはまるでマジック・リアリズムの様に僕をフラつかせた。

10錠の精神薬を飲むより、フラつくよ。

彼女は最期に僕をフッた。より大胆な形でね、しかしそれこそが彼女に惚れた理由なんだ、僕はそう自分に言い聞かせた。

あなたは相変わらず弁証法的ねえ、そこが可愛らしいんだね、とマリアは言ったよ。

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