Magician of Black―魔導管理局の黒き死神―

桃月ユイ

File00

 この地上に人間が発生してから長い年月が経っているが、未だに人間の体内には明かされていない能力が含まれている。

 その認知から大きく一歩踏み進んだ出来事が、人体の第六感の覚醒と地上にある不可視自然エネルギーによる特殊能力の発動――魔術と呼ばれる事象の発動である。過去の文献で言及されていた不可思議な現象、所謂『魔法』と呼ばれていたものが科学技術により操作・制御でできる魔術となったのだ。かつての『魔法』は自身の体内にある第六感器官から発せられる魔力を認知して制御できる一部の存在、『ウィザード』と呼ばれる種族のみが使用できるものだったが、現在は魔術の解明ができたことにより科学的技術で人間でも使用できるようになった。

 ここまで魔術の技術を解明・発展させたのが現在の魔導管理局である。未だ完全に明かされていない魔術の分析・解明・研究、魔術を行使するために使用するアイテムの開発、魔術による事故・事件の解決など、魔術に関する事象を管理する機関である。そこに所属する人間は管理局での訓練・試験を経て魔術を行使することを認められた『魔術士』、さらに上位の能力を持つ者は『魔導士』と呼ばれる。


 そんな魔導管理局に、一人の男がいた。

 現在の魔導管理局で評価される能力値、パワーランクで最高位であるAAA+。

――魔導管理局において、最強と呼ばれる存在。

 魔導管理局機動部隊第三隊所属、登録コードB-Fb2158-AAA+。

 彼の名は、リュウ・フジカズ。


 これは、リュウ・フジカズの日常と事件の物語である。



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