第11話 しずかとしょかんへの入り方
放課後、僕は図書室に向かった。カウンターで本を読んでいる浅羽さんを見つける。
声をかけようか、迷った。本を読んでいる時はなるべくなら話しかけないでほしい、と僕は思っているし、第一、学校ではしずかとしょかんの話題は他言無用なのだ。
本を選ぶフリをしながら、浅羽さんの方をチラチラと窺うが、彼女は本から目を移すことはない。本の貸出手続きの時くらいしか、視線を本から離さない。というか、声をかけられるまで、気付かない。
……浅羽さんらしいなあ。
仕方ない、しずかとしょかんへの入り方は昨日教えてもらったし……。
しずかとしょかんへの入館方法。
意識を集中し、しずかとしょかんへ入りたいと念じるだけ。
たったそれだけ。
本当に出来るのか不安だったが、とりあえずやってみる。
しずかとしょかんに入りたい…………。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――。
瞬きをすると天井まで届くくらいの本棚とずらりと並んだ古めかしい本に囲まれていた。
わっ、本当に来れた……。
昨日と同じく本を選び、椅子に座って読む。
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