第186話 追い込み漁

領民は走り出す、中には抵抗する奴も居るが騎士団にやられている。


「良く走るのが続きますね、もうすぐブルーウェイルとの境界ですよ」


「あゝ遠くの方で土煙が上がって居るが、あそこが城都かな」


「そうです、王の配下の騎士団が城都周りを回ってますので凄い土埃ですよ、雨が欲しいですハハハ」


俺は考えて、隣の騎士団団長に指令を出す。


「帝国の騎士団団長伝令をお願いする、俺の騎士団をこちらに戻るよう言ってくれ」


「このまま挟み撃ちで、サンフィッシュの領民を皆殺しじゃ無いんですか?」


「まさかそんな事はしないよ、みんな城壁の中に逃げさせてあげるんだ」


「王の考えは分かりませんが、伝令を出します」


帝国騎士団団長は部下に伝令を伝えて、城都周りの騎士団に伝令を走らせる。


「騎士団団長よ、そちらの兵士の数はどれくらい居る?」


「今回は、国境に3万の兵を集めまして2万の兵でツナ領を獲りました」


「ならも一度戻って、1万の兵士でツナ領の領民をブルーウェイルの城に追い込んでくれ、それと残りの兵はその隣の領に追い込んでくれ、俺達は反対側からブルーウェイル城都に領民を追い立ててくるよ」


俺は日本の浅瀬で行われるすだて漁の様にオーリンの民をブルーウェイルに追い込んでいく。


「ぺこり騎士団団長イイチロウ、こっちにおいで」


バイクでやってくるイイチロウ。


「この地図でまず、サンフィッシュに戻ってそれから南に侵攻して、その民をブルーウェイルに集めよ」


イイチロウに説明していたら、ニホンエン王国とユーグラン王国の騎士団団長達も集まってくる。


「王よ戻りました、何か指令が有ると?」


「良く来た2人とも、ここに居るのがペニン騎士団団長だ! 名をイイチロウと言う」


「イイチロウですよろしくお願いします」


「随分と線が細いな、騎士か本当に?」


「そうですね、この体で戦えますかね?」


「あゝコイツは貴族が本職だ、女帝が責任者全員静粛したので、真面目な貴族だ」


「なら仕方無いですな、それで指令とは?」


地図を広げて3人に見せて再度説明する。


「ここから戻って南に侵攻そして領民をブルーウェイル城都に追い込んで来い、1部は残ってブルーウェイル城都からの逃亡者をまた王城に戻せ」


「領都を一つづつ攻略はしないのですか?」


「あゝ帝国の騎士団団長も掛かったが、降伏する振りで領都に連れて行かれ、代表者を討ち取る手筈になって居る。そんな事をやられたので、降伏の話は聞かないで、命が欲しいのならブルーウェイル城都に逃げろと迫れ」


「帝国の騎士団団長でもそんな策略にかかりましたか、うーむ」


「因みに俺も引っかかったぞ、帝国の騎士団団長の助けで生きて居るがな!」


「そんな策略ですか、なら手加減無用ですね」


「分かったなら、3騎士団でこの国の民をブルーウェイル城都に追い込んで来い、帝国は北から始めて居るぞ!」


頭を下げ2つの騎士団は走って行く。


「イイチロウは物資の輸送だ、後について行け」


俺達は領都の境に、いつもの建物を出してくつろぐ。


「さて何日で領民を追い詰めるかな!」


夜はふけていく。












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