第二章 期待の新人ライダー

 遡ること6年前の秋


『2017年全日本モトクロス選手権、最終戦ここ埼玉県オフロードヴィレッジ、国際B級クラス』

『現在トップを走ってるのは、徳島県出身ライダーのジミー選手、若干17歳』

『前年度、四国モトクロス選手権国内A級クラスチャンピオンになり、国際B級クラスに昇格したのだが、開幕戦からいきなり優勝する』

『流石天才ライダー!』


 MCよっちゃんが興奮気味で実況を続ける。


『そして、そこから好成績を収め、残り2戦を残しシリーズチャンピオンに』

『来年国際A級クラスに昇格する期待の新人ライダー!』

『さぁ、最終コーナーを立ち上がり、今フィニッシュ!!』


 ジミーはフィニッシュジャンプを飛びながら腕を高く上げる。


『優勝はジミー、今大会もぶっちぎりで二位以下を引き離す』

『そして、二位が今ゴール』


 ウィニングランを終え、表彰式へ向かう。


『お疲れ、優勝おめでとう。やったな』


 メカニックの深田がジミーの肩を叩く。


「深田さんのマシン整備のお陰ですよ、ありがとうございます」


『ジミーおめでとう。やったね』


 ジミーの彼女であるジュリアが抱きつく


『無事帰ってきて良かった、本当に』


 と、ジュリアはボソッと言う。


「いつもそばで応援してくれてありがとう。力になったよ」


 ジミーはそう言いながらジュリアを抱きしめる・・・


 そして、無事2017年の大会に幕が下りる。


 最終戦が終わると、シーズンオフに入り各ライダーは来年の大会に向けて新たなチーム探しやスポンサー探しをする。


 ジミーも、来年プロライダーとして全日本モトクロス選手権に出場する為、日々スポンサー探しに各企業に自分を売り込みにいくのだが・・・

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