七
大きな疑問が一つある。子供の時からの疑問なのだが、成人になっても老人になりかかってもいまだに納得できないことに変わりはない。それは誰もがいっこうに怪しもうとしない事柄だ。邪が栄えて正がしいたげられるという・ありきたりの事実についてである。
この事実にぶつかるごとに、
天についてのこの不満を、彼は何よりも師の運命について感じる。ほとんど人間とは思えないこの大才、大徳が、何故こうした不遇に甘んじなければならぬのか。家庭的にも恵まれず、年老いてから放浪の旅に出なければならぬような不運が、どうしてこの人を待たねばならぬのか。一夜、「
この人と、この人を
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