第3話 サークル

「やめときましょうよ、なんか危なそうよ」


「やっぱそう思うよな」


ヒソヒソとカナと話しているとチャラいお兄さんが再び話しかけてきた。


「怪しんでるよね。1回見に来て見たら??」

チャラ男はにやけた顔でこっちを見ている。

なんか挑発されてね!?


「.....」

謎の沈黙。チャラ男は相変わらずにやけている。


「どういうサークルですか?」

たまらず俺が聞いた。


「ん?いい質問だね☆ ..... ゲームだよ」


「は??」


「GE☆E☆MU☆」


ゲームのサークル?そんなの聞いた事ない。

確かにゲームは好きだけど....俺がゲーム好きだとわかって?

ドヤ顔でそんなこと言われても。


「おいカナ、どうするんだよ....ってカナ!?」

悲報。カナが逃げた。おいてくなよ!!俺はどうすればいいんだよ!!


「ってかなんで俺なんだよ!!」

思わず疑問を投げつけた。


「いい質問だね☆それは君に素質があると踏んだからだ」


「は?....素質???」

何言ってんだこいつ…


「その陰キャを極めたような顔つき!よく動きそうなしなやかな指!!!」


「てめえ殺すぞ」


「嘘だって!」


「まあとりあえず見にいくだけ見に行きますよ。入るサークル探してたし。ゲーム好きだし。」


「そう来なくっちゃ☆」


俺は渋々そのチャラ男について行った。

でもなにか起こりそうでワクワクしてなかったと言えば嘘になる。


こっちを見てにやけているチャラ男の顔が一瞬、どこか悪の組織の売人のように見えた。


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