第25話

俺たちの滞在する離れに通され昼食までゆっくりすることになった。


さすが公爵家だ。


ここは訪れる客が使用する離れとはいえ嫌味にならない豪華さで落ち着いた雰囲気が主の人柄がでている。


騎士団の様子を見学していたライアンとダンゼルも合流して俺達が滞在することをティアの友人達もまだ知らないことを伝える。


ライアンが悪い顔を、ダンゼルは嬉しそうに頷いていた。


この中で1番の腹黒は間違いなくライアンだ!

薄い水色の髪を後ろで緩く束ね、目は紺色で甘い顔立ちは、かなり綺麗な部類に入ると思う。

外面がいいから周りからの評価も高い。

あのレオンに憧れてるようだ。


ダンゼルは3人の中でも素直で何でも顔に出るから分かりやすい。

所々跳ねた薄い茶色の短い髪に緑の目の、男としては可愛らしい顔立ちだ。

性格は素直で優しいが、ひとたび剣を握った時の真剣な顔が凛々しくそのギャップが年上の令嬢には人気らしい。

卒業後は王国騎士団に入ることが決まっている。


俺は国王である父上にそっくりだ。

40歳手前だというのに若々しく麗しい美丈夫だ。

だから俺もイケてる方だと思う。

ちなみに兄上は母上似だ。

儚げな見た目だが、冷徹な部分も持ち合わせるところまでそっくりだ。


ちなみに俺たち3人も兄上、レオンも婚約者はいない。


アスパルト領には温泉が湧いているらしい。


各部屋の浴室まで温泉が通っているようだが、離れの建物の横には男女別に大きめの風呂場あると聞いた。

今日は旅の疲れを癒すためそっちに入るつもりだ。



メイドが「昼食の御用意が出来ました。どうぞ本邸の方へ御案内致します。」


3人でついて行く。


ここの庭園はかなり広い。

見渡す限り細部まで見る人を癒す作りになっているようだ。


通された部屋には笑顔でティアが迎えてくれた。


席に着くとすぐにメイド達が色とりどりの料理を運んでくる。

この領地には海も山もある。

今回は新鮮な魚介料理がメインで王宮の料理人にも負けず劣らずの腕だった。


学園のランチでするような楽しい気楽な会話をする。

食後はサロンに移動し、ゆっくりお茶を飲む。

暫くすると、ティアの友人達が到着した報告がきた。


ティアはそれは嬉しいそうに席を立つ。

「ティア」と声をかけエスコートする。

ちょうど本邸の前に馬車が停車したところだった。

既にライアンとダンゼルは馬車の側で待機してる。

いつの間に俺たちを追い抜いたんだ?

抜け目ないな!


降りてきた2人は差し伸ばされた手の顔を見てびっくりしたようだ。

そりゃそうだよな、何も聞いてないんだから。


訳が分からない2人も令嬢らしく、落ち着いた挨拶をした。

ティアは2人に駆け寄り抱きついていた。


俺に会った時より嬉しそうなんだか?


荷物はメイドに任せ、サロンに集まる。


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