第20話

あ~今日のティアも可愛かった!

念願の頭ポンポンも実行できたしな!

耳元に顔を近ずけた時、甘い匂いがした!

ずっと嗅いでいられる!

もう!存在してるだけで可愛い!

ティアも少しは俺に気を許してくれてるのか会話もスムーズになったような気がする。


明日ランチタイムは待ち伏せじゃなく、教室まで迎えに行くことを約束した。

俺がティアを気に掛けてることを周りにアピールして、何かあれば第2王子である俺が後ろに付いていることを分からせる為だ。


不自然じゃなく誘えてまさに一石二鳥だな!


まだティア自身は何が起こったか分かってないようだが、誰かが悪意を持って噂を流してるのは確実だ。


こんなのあのレオンが黙っているとは思えない。もう動いてるはずだ!


幼い頃は兄上の側にいたレオンも交えて交流もあったが、いつの間にか落ち着いた兄上とレオン、やんちゃな俺とライアン、ダンゼルの3人に別れていた。

もちろん今でも会えば会話もするし、普通に付き合いはある。


ただレオンは本当に怖いんだよ!

みんな見た目に騙されてるんだ!

ボコボコにされた時に俺は学習した!


犯人の末路はレオンの手に握られてるんだろうな~

馬鹿だよな犯人の奴!


ま、俺は俺で大事なティアを守るのは当たり前だけどな!



情報収集してきたライアンとダンゼルと共に誰にも聞かれないように王城の俺の私室で話し合うことにした。


メイドがお茶の用意を終えると、部屋から出てもらい、ここには3人だけとなった。

一口茶を飲んで喉を潤わせるとライアンの報告がはじまった。


あのピンク頭が嘘を並べて、あっちこっちで悲しい顔、また泣き顔で周りから同情をかってるそうだ。

それを鵜呑みにする、令息令嬢がいることにびっくりだ。


ピンク頭に顔を顰める令息令嬢も半数はいるようだ。


貴族社会は怖いところだ。

些細なことで、居場所なんかすぐに無くなる。

貴族の夫人、令嬢は特に噂話が好きだ。

人を見下す、蔑む、嘲笑う、嫉妬、侮蔑、色んなものが混ざりあって綺麗なだけの世界ではないことは、王族として挨拶だけは参加する俺でもわかる事だ。


もう既に学園内での噂だって流れてるかもしれない。


でも、大丈夫だ。ティアの母親を前にそんな噂を流したことがバレると徹底的に追い詰められるだろ。彼女はアトラス帝国の元第2王女だ。風格が違う。それにもう1人宰相の公爵だ。溺愛してるティアに何かあれば絶対に黙っていない。


まだ、噂以外では何も起こっていないうちはこのまま様子を見ることで纏まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る