第14話 ティーチ視点

私の家族は国王の父上と王妃の母上、そして真っ直ぐ過ぎて、頭はいいのにアホな可愛い弟の4人家族だ。


その日は珍しく家族が揃っての晩餐の時、締りのない顔で黙々と食べる弟をみて、ティアリーゼ嬢と接触出来たのだろうとわかった。

あまりにもニヤニヤしたり、蕩けるような顔をする弟をみて、母上が「何かいいことあったの?」と聞くなり勢いよく席をたち「婚約したい人がいます。俺のよ・・よ・・よめ・・・・・・嫁に」と真っ赤な顔で言った。てか、言ってしまった。

母上の隣の父上は真っ青な顔でフルフルと首を降っているが、「まあ!ルイどんな子なの?」とノリノリで聞いている母上に出会いから今日の出来事まで話す話す。

「じゃルイのお嫁さんはティアリーゼちゃんで決まりね」なんて喜んでいるが、ダメな気がする。


やっぱりアホな弟だった。

コイツティアリーゼ嬢の父親の前で「 宰相には悪いがワガママで傲慢と噂のあるそなたの娘とは婚約はしない!」と言ったことを忘れたのか?

一目惚れの相手が宰相の溺愛する娘だったのに、せめてあんな暴言を吐かなければまだ可能性はあったはずだ。


あの時は私もティアリーゼ嬢の顔も知らなかったが、この国では珍しい銀髪だと聞いて父上と私は予測は出来たのに。


「これから忙しくなるわ」と母上は上機嫌で食事を終え鼻歌を歌いなが出ていった。


「父上、母上には父上からお話しください。」としか弟の前では言えない。

父上も残念な子を見るような目でルイを見てから席を立った。


残された私は「相手の気持ちも考えずに、無理やり婚約はどうなの?せめて気持ちが通じてからでないとダメなんじゃないかな?」

と言ってみたが「大丈夫だ!」は?

どこからその自信が?

「なにが大丈夫なんだ?」

「俺以上にティアを大事にできる人間はいない」

いやいやお前「そんなワガママで傲慢な女なんかたとえ婚約者になったとしても大事にすることもないし、いつか婚約破棄してやるよ!」って、あのレオンに聞かれてるんだぞ

あの時のレオンは薄く笑って真っ黒なオーラを背負っていたんだぞ!怖かったんだからな!


ついでに弟含む悪ガキ達の会話はティアリーゼ嬢にも聞かれている。

顔は見られてなかったのが救いだ。

いや救いなのか?


ま、ティアリーゼ嬢の気持ち次第かな?

頑張れ!アホな弟よ!


次の日朝食で母上のテンションがダダ下がりだったのは言うまでもない。

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