君に送るラブレター
水瓶シロン
第01通 最近なぜかよく話し掛けてくるクラスの清楚系美少女からの手紙
高校。放課後の帰り際に「読んでくださいっ」と渡された手紙――――
“今時手紙だなんて、それも突然渡されてビックリですよね。まずは困らせてしまったことを謝ります。でも、言い訳をさせてください。本当は君の連絡先を聞きたいところだったんですけど、ちょっと恥ずかしくてなかなか言い出せなかったんです。なので今度是非、連絡先を交換しましょう。そうしてくれると……私は嬉しいです。
それで、多分君はここまで読んで「どうして自分に手紙なんて渡してきたんだろう?」と思っていると思います。当然の疑問です。ですから、結論から先に。この手紙はいわゆるラブレター、と言うやつです。初めて書きました。君が初めてです。
でも、君のことだから、どうせ何かの悪戯だろうとでも疑うのでしょう? でも残念。コレは私の心の底からのラブレター。私が送りたくて送ったものです。
本当は君に直接気持ちを伝えるべきなんでしょうけど、その勇気がない私を許してください。だって、多分君に面と向かってこの気持ちを伝えるとなると、恥ずかしくてとても顔を見られないでしょうし、言葉は噛み噛みで上手く気持ちを伝えられないかもしれませんから。だから、せめて手紙で。
君のことが好きです。恋人になってほしいです。
この手紙を書いている今、私の顔はとても熱いです。気持ちを文字に起こすだけでも恥ずかしいのに、直接好きな人に告白できる人は凄いですね。多分私は今晩、このドキドキのせいで上手く寝られないと思います。君に文句を言っても仕方ないですが、君のせいですからね?
さて、今君はどんな顔をしているのでしょうか。手紙で告白するところのデメリットは、君の反応が見られないことですね。でも、今頃君が読んでいるんだろうなと勝手に私が君の姿を想像してもどかしくなれるのは、手紙のメリットかもしれません。
あぁ、でも不安です。この手紙を渡してしまったら、君が私の気持ちに気付いてしまったら、今までの関係ではいられなくなりますよね。もし関係が変わるなら、幸せな方に変わりたいです。
お返事は、君の好きなときで構いません。私は待っています。もしこの気持ちが叶わないのだとしても構いません。私は、私の好きな人の返事を素直に受け止める覚悟です。
でも、もし君が良い返事をくれるなら、私は嬉しすぎて、幸せ過ぎて、泣いてしまうかもしれません。そのときは是非、ぎゅっと強く抱きしめて、君の温もりで私を泣き止ませてくださいね。”
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます