X(Twitter)300字小説集:毎月300字小説企画参加作品
伊古野わらび
第1回「初」:初夢の紳士
届いた年賀状を確認していると、不思議な一枚を見つけた。
わたしの名前のみ書かれた宛名面。こちらの住所も差出人の住所、氏名も見当たらない。
通信面もシンプルで、
「あなたの初夢を頂きに参ります」
ただその一文が「B」のアルファベット一字を添えて印字されていた。
不思議というより不気味さや気障さが気にはなったが、元があまり引きずらない性格。美味しいおせちとお雑煮を食べて寝る頃には、すっかり忘れ去っていた。
その夜見た夢は最悪だった。
初夢と呼ぶには不吉で黒々とした夢だったが。
「どうも。予告通りやって参りました。悪夢大好き紳士です」
急に現れたのは、やけに大きな口をした自称紳士。
その後のことは、何一つ覚えていない。
【了】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます