宮山たつき

🔳┳人物・たつき

初登場。口調。性格。


🔳初登場

「……置いてかれても困るっつーの、あんな粗大ゴミ」

 東海道本線・新快速の車中で、少女はそうつぶやいた。

 淡色のスプリングニットに膝丈スカート、編み上げ靴。ガーリーなコーデが小柄ショートの外見に似合っている。本格的なサイズのトランクは、少女が旅慣れていること、今回の旅も長くなることの証拠だろう。

「荷物、大阪駅で預ければよかったかも。でもトランク、これ一つだしなあ。

 ……あ。京都駅でロッカーに入れて、夜、取り来ればいっか。

 観光ついでに替えのバッグ探して、それに着替えだけ入れてってー」

 にんまり笑うと、宮山みやまたつきは再び、観光案内に目を落とした。

              ──【開幕】《神風天覧試合》、始まりの儀 其の二


🔳口調

・一人称は「わたし」。

 物言いがストレート。辛辣。傲岸不遜。

 忍野を「おしのん」と呼ぶ。


「オッケー、おしのん」

 忍野は何か言いかけ、押し黙った。たつきの物言いは相手を選ばぬらしい。

              ──【開幕】《神風天覧試合》、始まりの儀 其の八


🔳性格

■洋の分析より

 六人の候補者中、間違いなく最軽量だが、少女の態度は小型犬のように尊大だ。全国より選抜された怪物たちに囲まれ、気圧される様子の一切ない鼻柱の強さは、彼女の鈍感さ故か、圧倒的な実力の賜物なのか。少女の手に武器はなく、流儀を読むには手掛かりに欠ける。せめて神社の名がわかれば、と洋は思う。

 盤石の自信以外に、たつきから読めるのは緊張感のなさだ。他と比べ、この少女には明らかに気負いがない。あるのは好奇心ばかりで、初めてのカフェでメニューを広げたような顔をしている。勝ち負けにこだわらないタイプなのかもしれないが、仮にも自身の生死を賭ける話で、この達観ぶりは異常に過ぎる。

              ──【開幕】《神風天覧試合》、始まりの儀 其の六


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る