準備

バンジージャンプにはロープが必須だ。サムはそれを持ってきていた。サムの大きめのリュックの半分はそれだった。僕はサムがここにくるまうから準備していたのにこころが痛んだ。もしもっと前にそれを知っていたら止められたかもしれない。心臓をそれがグサグサ刺した。

「ね。太めの木を探しましょ!」

手を引かれた。気分は黒い底だった。サムはさわやかな顔でこっちを見て、いくよとぐいぐい引っ張った。


太めの木はあったが、ノコギリのような切るものが何一つない。どうするのかと思うとサムは体当たりした。ドン、ドン何回か体当たりしていた。でも木はびくともしない。流石のサムも全く倒れない木に諦めがついていた。仕方ないといい、そこら辺に落ちていた木の棒を拾った。それでもいいことを僕もサムも口に出さなかったが、結局そうなった。僕はいい表せないモヤモヤに、あるいは自分に悔やんだ。


元の場所に戻ると日が暮れ始めた。いろいろ準備して、夜になった。バンジージャンプの準備はできた。崖の端に木の棒を刺してそこにロープを括り付けた。もう夕飯時だ。


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