僕らの関係

「ラン!来て!」

僕はサムのあとを追った。いつもそうだ。僕はいつでもサムについていっている。サムが手を引いてくれるからだ。僕からの方がまわりから見たらいいのだろう。でもサムはそういう者だ。だから役割はこれでいい。なんの役割って?ついていく係と手を引っ張る係だよ。関係を説明するなら僕らはここで遊んでいる。僕は恋をしている。そういう仲だ。今日は平日だが、学校なんて行ってたら頭が狂う。そう思い始めたのは、サムと一緒に学校を抜け出してからだ。僕ら実は中学3年生なんだよ。つまり受験生さ。1週間前から学校なんて行ってない。その間遊んでいるのさ。僕がUNOを持ってきたり、トランプを持ってきたりする。今はコンビニでなんでも売っているのだ。サムが食べ物を持ってくる。サムの家は比較的お金があるのだ。親が医者でそれはそれはいいものを持ってくる。両親共働きで家の中にはいないんだそうだ。サンドウィッチひとつでもきっと何千円とするだろう。でもここだけの話あまり美味しくない。まだ舌がついていかないのだろう。勘づいている人もいるだろうか。この病院、実はサムの父の病院だ。言うまでもなく、さすがに病院の中では見つかってしまう。病院の地下に駐車場があり、そこの奥を進むとバレないように仕掛けしてある正方形の部屋がある。本当に小さいが中学生2人は入る。そういう場所だ。今日、ちょうど1週間たったこの日も僕はあの部屋にいた。違う場所に行くようだった。そのまま僕は流されていった。

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