第五幕 情報屋が、最後に辿り着く場所とは?
「お疲れ!」
と、労をねぎらう言葉が響く。
出陣する前のこの場所へ。
そして許可は取ってある。昼休みは終了したが、俺たちの昼休みはこれから。入口から左奥のテーブルの片隅には、この食堂で一番の人気を誇るコロッケ弁当。
略して『コロ弁』と呼ばれてる。
気絶や眠らせた十人は、無事に生徒会へと送ることができた。目覚めたらカツ丼とスパルタ級の取り調べ。その後、それに見合った処分が待っている。……と、そうあってほしいものだ、本当に。現実は、きっと違うもの。だから終わりなき戦いだ。
『それはいつ?
もしかしたら明日なのだろうか?』
と気付けば星たちに、問いかけるようになっていた。
まるで、
まるで流れ星に、お願い事をするように。
そんな感じで学園からの、この僅かな距離の範囲内での寄り道を満喫して、
……
「いつもすまないね……」
「それは言いっこなしだよ、母さん」
この金をどうやって、
いつも六万円、中には十万円もの、高校生にとっては大金だ。
もちろんアルバイトではない。以前に年齢差相がバレて先生に大目玉だ。特に
今は、情報屋一本だ。
――無論、そんなことは言えない。いや、それ以前に、母さんは訊かない。このお金たちを入手した先を……。だから誤魔化しも嘘もない。けれども今日は、
「
と、母さんは訊いた。
俺の目を、見ていた。ドキッとした。
「大丈夫、心配すんなって」
と、すぐに笑顔。
作ったものだと、バレていても……。母さんは、それ以上は訊かなかった。
――少し、泣きそうになった。
『ごめんよ、母さん。これ以上は話せないんだ。……でもな、もうすぐだ。もうすぐ足を洗うよ。それまで待っててくれよな、もう心配かけないから……』
自分でもわからなかった。
情報屋を辞めるかどうか。正直にいえば見通しもない。
……けれど、近いうちに、
その状況にまで辿り着きそうな、その様な予感がする。
たとえそうなっても俺は、
母さんや、リンちゃんだけは守ってみせる。――と、その決意を
それで、またリンちゃんが狙われた。目撃してしまったそうだ、現場を。それだけではなく、学園の日常であってはならないことを知ってしまったそうだ。
本当は、情報屋稼業で手に負える事件ではなかったが、その切なる依頼を音羽は受けてしまった。そして俺たちは、衝撃的なラストを迎えることとなった。
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