28,夏への連絡事項

 5限目の現代社会が終わると、俺は体育補佐として雲堂うんどう理彩りさ先生と共に体育館に行き、生徒と共に準備運動を始めた。


 今日の内容は、ダンスだ。


 もちろん、ダンスをする曲は有ったのだが、何故かラジカセから再生されなくなった。


「どうしてなの〜?」


 困っている雲堂うんどうを見て俺は、海兵隊時代に趣味でしていたビートボックス(口で様々な音を出しビートを刻んでいく方法)を披露した。


「うわ〜!」


「か、かっこいい・・・!」


「・・・はぅ!」


 生徒達は拍手喝采はくしゅかっさいだったが、雲堂うんどう先生は申し訳なさで一杯なのか、ひたすら謝罪していた。


 そんなこんなで6限目が終わると、放課後になった。


 放課後。


 護身術教室で、実力テストの為にグァム島に行くということを連絡していた。


「海外に行くということで、英語担当の先生にはすでに願い出ている。それと、この書類の束は理事長からの許可証などだ。 つまり、ガチで海外に行くから」


 すると、そこに春というのに水着の上からパーカーを羽織って優雅に向かってくる雲堂うんどう理彩りさ先生と保護者札を首から下げた咲耶さや着姉ねえがやってきた。


「高宮先生! 正門が閉まりまーす!」


「マ、・・・護。む、迎えに来てあげたぞ!」


 雲堂うんどう理彩りさ先生は、この後合コンでも行くのだろうか?それに、ツンツンしながら頬を赤くしている咲耶さや着姉ねえは、必死に普段の癖・・・・を改めながら話しかけてきているし・・・。


「とにかく、皆。 中間テストが終われば、グァム島というご褒美があるからな?」


「「「はい!」」」


 その後、すぐに解散を告げて山村と咲耶さや着姉ねえに「すまん、待ったか?」と半分照れながら言った。

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