20,RAUND1

 廃墟となった倉庫に一歩踏み出すと、コンクリートの地面に弾痕ができた。


「おっと、そこまでだ!」


「自分の運を呪いな!」


 片言だが、在日マフィアだ。肌の色は黄白色つまり、アジア人の特色だ。


「おや?あ、コイツだ! 兄貴アニキ!コイツですぜ!」


 ん? あぁ、あの時の。どうやら、当たった様だ。


「少女は何処どこだ?」


「あ? 四面楚歌しめんそかを棚回しにして他人の心配か? ぎゃははは!笑わせるな〜!」


「・・・もう一度聞く、少女は何処どこに居る」


「教えるかよ、ゔぁあ〜か! ギャハハハ!!」


「そうか」


 次の瞬間、男が気がついた時には顔面に拳がめり込んでいた。


「グべらッ!!!!!!!!」


「・・・」


 俺はそのまま追撃に入る、今度は男のふところに潜り込みアッパーカットからの鳩尾みぞおちに向かって鋭い蹴りを入れた。


「ゴ、ふぁ、あ・・・!!」


 男の口から血反吐ちへどを吐き、蹌踉よろめきながら後ろにある柱にもたれて倒れた。


 一般人なら追撃をしないが、俺は俺だ。


 だからトドメの一撃を加えた、男の急所股間に強烈な蹴りを。

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