18,出会い

 俺は高宮たかみやまもる、この地球においては・・・。


 だが、俺には秘密がある。


 そう、前世は異世界と呼ばれる別の世界に生きる魔人魂だった。正確にはヒトを辞めた魔人だが・・・。


 異世界中で、最強の魔人は誰かと聞いた時に必ず名前が上がる程の実力だ。


 なんで、魔力やスキルといった概念が存在しない世界に来たのか?気になるだろう?


 簡単に言えば、魔王からの提案で。元々、魔王城に人間達が汗水垂らして召喚した地球人の勇者が来て魔王を倒すという流れだったが、いつの間にか勇者のレベルが落ちた。


 Lv999で勇者または伝説、神話級と呼ばれていたがある時を境としてLv100で勇者と名乗る程度になったのだ。


 弱体化した勇者など、虫ケラだ。だから、魔王や俺は暇になった。


 俺はいつもの様に、弱者となった勇者団と戦闘をしていた。


 結果は魔人の圧勝その時、後ろで欠伸あくびをしていた魔王から「なぁ、ヴェーノム」と声をかけられた。


「はい? なんでしょうか、魔王様?」


「過去の時代に転生したくはないかの?」


 過去の時代現代・・・?そんなの行けるなら、行きたい!


「少し、懐かしくもありますね」


「提案だが、魂だけ過去に行ってくれるかの?」


「ん? 魂だけ、ですか?」


「そうだ。 理由は、この世界でお前が暴れることは、もう無いから」


 そういう訳で肉体を捨てて、魂だけ転生した。


 転生した俺は、魔王城が建つ予定の大学病院にいた。中を彷徨さまよっていると俺をることができる一人の中学生と出会った。


 それが、高宮護との出会いだった。

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