暗雲低迷

自宅はそこまで大学からすぐ近くにある。大学に入学する前ちょうど4月ごろに、大学から近い物件を探して、引越しをしていたからだ。

といっても、歩くと少しだが時間を要するため、普段はバスを使って通学をしていた。

このどうしようもない状況なので、確認がてらいつも通るバスの道を歩いていくことにした。


夢の中だからなのか、夕方に近くなっていたからなのか、景色はぼんやりとしていた、確かに今自分が立っている場所は限りなく自分の住んでいる街そのもののはずなのに____


街ゆく人に話しかけてみようとも思ったが、もしもまた先ほどの大学でのようになったら、今心に染み付いている恐怖心が一層増してしまうのではないかという考えがよぎって、話しかけることをやめた。


それから、あたりのぼんやりとした景色を横目に見ながら、着々と自宅へ近づいていた。

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