刻印の血脈 掌編

瑞田千貴

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作中の国や人についての説明です。予告なく追記することがあります。


◆「刻印」「刻印持ち」「刻印の魔術師」

魔力のあるものの中でも、より魔力が強く、かつ長命なものに「薔薇の刻印」が現れる。

この薔薇の刻印は、自分の力を継承する子孫を識別することを目的に、アイリーン国の初代女王メティス・アイリーンによってかけられたまじないだと言い伝えられている。

そのため、刻印のを持つ魔術師たちは皆メティスの子孫であるとされている。

各国によって「刻印持ち」の扱いや、言い伝えが異なる。


◆「魔術師」と「魔法使い」

魔術は元来、刻印持ちたちが師匠について長い年月をかけて学び習得するものであったが、

200年前の大戦時に魔術が使える者を量産するために、簡易的な方法が考案され、それが「魔法」と呼ばれる。

魔力が多少でもあれば非刻印持ちであっても魔法が使え、以降、そのような者たちを「魔術師」たちは「魔法使い」と呼ぶようになった。

魔術師/魔術→刻印持ち

魔法使い/魔法→非刻印持ち=人間


◆国

・アイリーン国:東部にある王政の国。「刻印の魔術師」発祥の地。神サンスーンを祀る。

・ティタシア国:北部にある帝政の大国。世界の発祥とされる「巨神戦場跡」がある。

・リーラ国:西部にある共和国。リーラを含めた大陸西部にある小国は小競り合いが絶えず、現在も戦争中。


◆各国の「刻印の魔術師」たちの里

・アイリーン国:「北の村」と呼ばれることが多い。アイリーン国北部、ティタシア国との国境近くにある山奥に集落を築いている。200年前の大戦後にサフィアが協力者と共に興した。幼い「刻印持ち」たちを探して集め、魔術を教えている。特産品は「適温から下がらない茶器」など、魔術を使った生活用品が多い。「刻印持ち」の家族以外の人間との交流を絶っており、南部にある村を窓口にして外界と交易している。


・ティタシア国:「魔術師の城」「城」と呼ばれることが多い。帝都に近いちいさな城塞都市で生活している。アイリーン国の「北の村」同様に、幼い「刻印持ち」に魔術を教えている。魔術を使って北国に適した建物を建築することを生業にしている。また、「巨神戦場跡」近くに魔石が多く採れる鉱山が見つかったため、多くのものがそこで働いている(採掘、研磨など)。


・リーラ国:「リーラ国魔法兵団」。「兵団」と呼ばれることが多い。200年前の大戦時に活躍した「魔法傭兵部隊」の名残だが、現在では傭兵ではなく正規兵として雇われている。リーラ国で「魔法傭兵部隊」は大戦時の英雄であるため、若い「刻印持ち」たちは憧れて自ら兵団の門戸を叩くため、兵団の方から「刻印持ち」を探して集めることはしていない。兵団には非刻印持ちの人間も多く集まってくるが、魔力の少ないものは先ず入団選考で落ち、魔力があっても訓練で脱落していく。選ばれたものが「魔法兵」として前線へ赴くことになる。



◆現在の各国に所属する人物

◇アイリーン国

・サフィア・メティス・アイリーン:聖女と国民に崇められているアイリーン国のかつての王女。現在は「北の村」を統治しながら、湖畔の城で隠遁している。

・スカーレット:北の村の村長をしている。元リーラ国魔法傭兵部隊の隊長。幻術使い。本名不明、現在の名前は赤い髪が由来。

・パベル・ステパネク:千里眼の男。元はティタシア軍に所属していたが、戦中に視力を失う。現在はアイリーン国の北の村で、千里眼を用いて幼い刻印持ちたちを探す仕事をしている。

・アンナ・ベル・フレア:戦時中に「緑の魔女」と恐れられた女性。現在はアイリーン国の王都で夫と共に宿屋を経営している。愛称アニー。

ユージーン・ターナー:元リーラ国魔法傭兵部隊所属。大戦後、刻印持ちのための村を興したいというサフィアの理念に共感し、アイリーン国へ移住。村長を務めた後、現在はアイリーン国王都近くの小さな村で雑貨屋/便利屋を営む。

・ヴェルヌス:首なしの魔術師。サフィアの世話と、植物の世話をして過ごしている。


◇ティタシア国

・カーン・シン:ティタシア国「魔術師の城」の城主。ティタシア国の英雄で、黒の魔術師と讃えられている。妻エカテリーナと共に、後進の教育にあたる。

・サマル:生き残っている刻印の魔術師たちのなかでも、最長齢。メティスのひ孫にあたる。

・エカテリーナ:カーンの妻。治癒魔法の使い手。

・オリガ:ティタシアの若い魔術師

・ソコル:ティタシアの若い魔術師


◇リーラ国

・アーサー・メティス・アイリーン:アイリーン国王として国を治めた後、リーラ国に移住。魔法兵団にて兵士の育成に携わる。現在はアーサーとだけ名乗っている。

・マーカス・アルバ:アイリーン国貴族アルバ家出身で、元サフィアの騎士。アーサーと共に、魔法兵団で兵士の育成をしている。

・サリヴァン:アーサー、マーカスの部下。

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